少年ジャンプ「アカテン教師 梨本小鉄」をかつて連載 うつ病と闘う元漫画家(63)のいま「絵画で誰かの力になりたい」

うつ病と闘う元漫画家

元漫画家で、岡山市在住の「HARUMARU(はるまる)」さん(【画像①】)による絵画展が、岡山市北区で開かれています。うつ病と向き合いながら再起を果たそうと描いた作品の数々が、来場者を勇気づけています。

(HARUMARUさん)
「これはミリペンですね。均一な線が出るとか、そういう感じですかね」

細かな線を描くミリペン。こうした道具を使って細かい線を書き込み、やさしい色合いで仕上げた作品が並びます(【画像②】)。

岡山市北区表町で現在個展を開いているのは、岡山市在住のHARUMARUさん(63)です。

かつて少年ジャンプに連載 その後の苦しみ「涙が噴き出した」

(ジャンプコミックス「アカテン教師 梨本小鉄」より)
「俺は常勝無敗、梨本小鉄だぜ」

1986年から87年にかけ「週刊少年ジャンプ」に、博打好きの型破りな教師を描いた「アカテン教師 梨本小鉄」を連載。単行本は4巻を数えます。

その後、家族の事情で出身地の岡山に帰郷。再び漫画制作に挑みましたが、納得いく作品を生むことはできませんでした。こうした中、42歳の時にうつ病を発症しました。

(HARUMARUさん)
「ご飯を食べれんようになって、寝れんようになって、涙が噴き出したというかね。簡単にいえば『漫画から逃げたかった』のだと思いますよ。未だに『少年ジャンプ』とかいうのを引きずっているというかね」

再起を目指して 故郷・岡山で「もがき続ける」意味

漫画家としての活動はやめたものの、絵を描く喜びは忘れられず絵画制作を開始。そして56歳の時、再起を果たそうと就労継続支援A型事業所「ありがとうファーム」のアーティストとして活動を始めました。

今回の個展は、そのありがとうファームが、所属アーティストの作品を紹介する第一弾として企画したもので、HARUMARUさんがこの7年間に描いた【画像③④】のような約30点が展示されています。

(来場者)
「色使いが本当にきれいで、めちゃめちゃ感動しています。絵から元気をもらえるような感じがします」

今もうつ病と向き合うHARUMARUさん。それでも、もがき続ける姿も含めて「誰かの力になれるかも知れない」と感じています。

(HARUMARUさん)
「うつとか、ほかの病気で悩んでいる方もいらっしゃると思うけど、こういうこともできるとか、なんか一つ見つけるとか、そんな感じで見て頂けたら」

HARUMARUさんの個展は、4月29日まで岡山市北区表町のコチャエで開かれています。

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