俺の何がダメだった?破局理由の種明かし「『そういうとこ』で振られる男」全話総集編

恋人から「そういうとこだよ」と、指摘されたことはないだろうか。

そして、目の前から去られてしまったことはないか――。

恋愛において、別れの常套句として使われがちなこのセリフ。

でも「そういうとこ」って一体どういうところ?

「ハッキリ言ってくれないとわからない、頼むから説明してくれっ!」

主人公・林 優斗は、3回連続「そういうとこ」で振られた男。

これは、彼が自分の「そういうとこ」の答え合わせをしていく物語である。

「「そういうとこ」で振られる男」一挙に全話おさらい!

第1話:早大卒34歳編集者。歴代彼女に同じセリフで振られ…

― いつものカレー専門店のラストオーダーって、確か21時だったよな?急げば間に合いそうだ。

心地よい疲労感が、カレーを強く欲している。皮つきのまま出てくる茹でたじゃがいもに、バターとほんのちょっとのカレールーをかけて、思いっきりかぶりつきたい。

だが、作業していたワードプレスをいそいそと閉じようとしたときだった。

「…えっ?この原稿って…」

たった今、投稿一覧にあがってきた原稿のタイトルに、僕は身震いする。

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第2話:7年ぶりに元カノと再会した34歳男。「一風変わったデート」に誘ったら、悲しい結末に…

元カノとの再会でスムーズに会話ができるなんて、所詮ドラマや小説の中の話でしかない。ちょっとでも期待した自分にがっかりする。

「優斗も帰るなら、一緒に出よう」

2次会には出席しないという友人たちに交じって、僕も帰ろうとしたときだった。

「優斗くん…」

手にしていたスマホの画面から顔を上げると、目の前に香澄が立っていた。

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第3話:「元カノと復縁できるかも」と喜ぶ34歳男。タイ料理店でデート中、彼女の表情が曇り…

沈黙が気まずくない関係は、食事を存分に堪能できていい。彼女も同じで、僕らは昔から気が合っていた。

次に運ばれてきたふっくらとジューシーな鶏肉のグリルは、噛むほどにうま味が広がる。香澄が頼んだカオヤムは、バタフライピーで色付けされたブルーライスが圧巻で、2人同時に「すごい!」と唸った。

― こんなの…こんな時間がまた続いたらいいのにって、思っちゃうよなぁ。

しかし、いい雰囲気は長くは続かなかった。

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第4話:ジムで出会ったヘルシー美女に惚れた男。順調に交際できたが、1年で突如終止符を打たれ…

― 香澄は「しっかりした姿を見せたかった」って言ってたけど、“しっかり”どころじゃないな、僕は。

病院の廊下に響く、ゴツゴツという不器用な松葉杖の音が、僕を余計に惨めな気持ちにさせる。すると…。

「林さん!」

会計窓口で、時間外診療の預り金を払い終えると、ふいに呼び止められた。

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第5話:3年前に破局した元カノから突然の呼び出し。カフェで再会したら“あるモノ”を手渡され…

当時、ふとアプリを開いたとき、上から2番目にあった美紀とのトークページに“メンバーがいません”と表示されて、目を疑った。

立て続けにInstagramもフォロワーから削除され、非公開設定の彼女のページは見ることも叶わなくなった。さらに決定的だったのは、僕よりも長く通っていたボルダリングジムを退会していたことだ。

その彼女と会うということは…。もしかしたら、また嫌な思いをさせてしまうのでは?と気が引ける。だけど、誘ってきたのには何かワケがあるに違いない。

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第6話:新人女性に仕事を教える34歳男。指導中の「ある言葉」が災いし、最悪なムードに…

ラム酒漬けのレーズンが入った“金”の『ざびえる』は、そこに芳醇さが加わってまたいい。

ひと口でノスタルジックな気分に浸らせてくれるこの和洋折衷菓子が、僕は昔っから大好きなのだ。

― でも、誰からだろう?僕の好物を知ってる人…っぽいよな。

編集部内を見渡そうと、おもむろに顔を上げる。暗転したデスクトップの真っ暗な画面には、『ざびえる』の箱を胸に抱え、頬が緩んだ自分の顔が映る。

そして、そのすぐうしろには…長い髪をした女性の人影が薄ぼんやりと映っていた―。

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第7話:「これってハラスメント?」大手出版社勤務・34歳男が悩む新人指導の"ボーダーライン”

「あのさ、僕が…何かアウトなこと…いや、不適切なこと…言っちゃったのかい!?」

繊細な話題だからと身構えて、言葉を選んだ結果。逆におかしな語尾になった。

― おいおい…僕、今なんて…?気持ち悪っ!あぁ…。

顔が熱い。きっと、耳まで赤くなっている。まど香は、まるで不思議な生き物を見るかのように目をつむっている。

そして、ノートパソコンのキーボードのあたりに視線を落とすと、フルフルと肩を震わせ始めた。

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第8話:「髪切った?」と聞くのはセクハラ?後輩女性と会話中、34歳男が焦った理由

月曜日、18時半。仕事を終え、僕が帰宅しようとしたときだった。

ひと気のない編集部の前の廊下から、パタパタと忙しない足音が聞こえてきた。

― 帰ろうと思ったタイミングなのに…。この展開は、アレだ。間違いない…。

編集者人生12年、これまでに何度同じようなことがあっただろう。

次の展開を予測した僕は、鞄を足元に置いて残業の覚悟を決める。それからポツリとつぶやいた。

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