ローソン、デリバリー元年到来 5000店導入突破し体制構築 スマートフォンで店内在庫が把握できる仕組みを導入

ローソンは今年、デリバリー元年を迎える。「Uber Eats」(ウーバーイーツ)などと連携しデリバリー可能な店舗数が5000店舗へと拡大し、利用者のスマートフォンで店内在庫が把握できる仕組みを4月10日から導入している。

今後はデリバリー店舗をさらに拡大するとともに対象品目数も拡充する。

4月11日、決算説明会で竹増貞信社長は「人口カバー率についても7割~9割を目指し、しっかりとこれを組み立てていきたい」と意欲をのぞかせる。

吉田泰治執行役員インキュベーションカンパニープレジデント

吉田泰治執行役員インキュベーションカンパニープレジデントも同19日開催されたデリバリーに関する説明会で「24年度はさらなるスピード感をもって拡大し、ローソンの基本的な標準機能として育てていきたい」との考えを明らかにする。

導入店舗は今後、都心部を中心に増していく。

「ローソンがやろうとしているのは、店舗を在庫拠点にすることで、店から約1~1・5km圏内であれば最短15分で配達できる。人口カバー率が高く利用者数が多い地域で最短15分の体験者を増やしていく」と説明する。

対象商品は現在700品。5月から順次、3000品目へと拡大していく。

アプリ画面のイメージ

対象商品拡大の原動力には、前述した店内在庫の見える化などオペレーションの改善がある。
もともと従業員が手作業で行っていたアプリに店頭在庫状況を更新する作業を、4月10日からアプリと店舗在庫情報を自動的に連携させるシステムが稼働した。

これにより在庫反映までのタイムラグやミスがなくなり、オペレーション負担も大幅に軽減されることから対象品目拡大が可能となった。

OTC医薬品のデリバリー対応も強化する。

同社は21年にUber Eatsで国内初の医薬品デリバリーを開始。現在OTC医薬品取り扱い店舗は118店舗ある。今後は各自治体と協議しながらOTC医薬品のデリバリーエリアを拡大していく。

ゴーストレストランで展開するデリバリー専用商品

外食需要の取り込みも狙い「ゴーストレストラン」の導入拡大を検討していく。
「ゴーストレストラン」は、店内の厨房で調理したデリバリー専用商品をローソンとは異なるブランドで販売する業態となる。

店内厨房商品のデリバリーで最も注文されているのは、FF(ファストフード)。

中でも「からあげクン 20個入」など大容量タイプの需要が最も高い。
続いて、ソフトドリンク、デザート、酒、米飯が人気となっている。注文される時間帯は夜20時以降が最も高く、深夜帯の注文もある。
土日祝日前に大きく伸長する傾向もあるという。

「リアル店舗とは異なる時間帯に需要がある。そこをうまく組み合わせれば一定の注文が入り続ける状態にできる」とし、店舗オペレーションのさらなる向上にも取り組む。

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