レッドブルF1との契約延長を急ぎたいペレス。チーム側は「急いでいるわけではない」と時間をかける意向を再度主張

 セルジオ・ペレスはレッドブルとの新たな契約の締結を急いでいるが、彼はチームの上層部は迅速な決断を下すつもりがないと感じているようだ。

 ルイス・ハミルトン(メルセデス)が今年末にフェラーリに移籍し、フェルナンド・アロンソがアストンマーティンとの契約をさらに2シーズン延長するという状況のなか、ペレスのシートは、2025年の契約が決まっていない13人のドライバーが最も切望するシートとなっている。メルセデスのふたつ目のシートは、誰もがバックアップの選択肢としているようだ。

 カルロス・サインツ(フェラーリ)、エステバン・オコン(アルピーヌ)、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)といったレース優勝経験のあるドライバーが市場に出回るなか、ペレスはレッドブルに迅速な決断を下すよう働きかけており、中国GPでは市場の動きに対応するために自身の意志決定プロセスを加速させていることを明らかにした。

「確かに、僕が望むよりも早く物事が進んでいると思う。市場全体の状況を考えると、今後数週間のうちにかなり迅速に決定を下すことになるだろう」とペレスは語った。

「今後数週間で自分の将来がわかると思う。すべてのことがかなり早く動いているからね。だから、あまり長く待たないことが重要だと思う」

2024年F1第5戦中国GP セルジオ・ペレス(レッドブル)

 しかし、ペレスのレッドブルに対する要求のひとつがきっぱりと断られたことが明らかになった。レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、上海から帰国後にドイツ語圏のメディアに次のように説明した。

「まず、彼は3年契約を望んでいたが、我々は解決策を見つけることになるだろう」

 そうは言うものの、マルコはベテランのペレスとの再契約に賛成しており、次のように説明した。

「チームには常に最高の人材が欲しい。また、今のチェコ(セルジオ・ペレスの愛称)のパフォーマンスと調和を考えると、まさにちょうどいい。マックスと彼は仲がよく、セットアップの面でも比較的似ている。もちろん、データが比較可能になることから、あらゆる技術的作業が容易になる」

「現時点では多くのこと、あるいはほとんどすべてのことがチェコに有利に働いている」

2024年F1第4戦日本GP セルジオ・ペレスとヘルムート・マルコ(レッドブル)

 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、ダニエル・リカルドが今年間違いなくRBの最速ドライバーになることを期待し、彼をメインチームに戻したいと望んでいた。レッドブルでのペレスの将来に関するホーナーの立場は、マルコほどには固まっていない。

「もちろん、彼は間違いなく明日発表したいと思っているだろう。しかし、我々はチームとして急いでいるわけではない。我々は幸運な立場にいる。多くのドライバーが我々のためにドライブしたいと思っている。だが今のペアには満足している。今シーズンにおけるチェコのスタート時の一貫性のレベルを維持したいだけだ。そのうちにそうした選択肢も評価するつもりだ」

「しかし私が言っているように、現時点では今のラインアップにとても満足している。だから、2025年のフルドライバーラインアップの発表を急ぐ必要はない」

 それでもホーナーは、市場には他にも非常に興味深いドライバーがいることに言及した。

「アウディがカルロスに何を提供するのか、もしくはしたのかはわからない。カルロスは開かれた市場で鍵となるドライバーだ。だから、大きな関心が集まるのは当然のことだ。そしてアウディが、シートのないドライバーのなかでも彼のような力のあるドライバーを検討しないのは愚かなことだと確信している」

「しかし、どのようなオファーがなされているのか開示するのは不適切なことだ。他のチームからどのようなオファーがあったかということは、我々には明かされていない」

 これはマルコに対するさらなる皮肉だ。マルコは最近、アウディがサインツに出した金銭的オファーは、レッドブルには真似できないものだと主張していた……。そう、内部の争いはまだ終わっていない。

2024年F1第5戦中国GP クリスチャン・ホーナー代表(レッドブル)

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