【致死率10%超え】ゴールデンウィークのアウトドアは「マダニ」に注意 SFTSに感染で死に至ることも…ペットの犬や猫も要注意

春から活動を活発化させるマダニ。松山市の住宅地の茂みで、マダニを発見したという情報が寄せられました。

マダニを発見した男性は、家の近くでカメのエサとなるミミズを探していたところ、溝に積もった枯葉の中から見つけたそうです。

昆虫などに詳しい、愛媛大学農学部の吉冨博之教授に話を聞いてみました。

(愛媛大学農学部・吉冨博之教授)
「マダニは、獣の血を吸ってパンパンに膨らんで獣から落ちたところ、中型大型の哺乳類に寄生し、草むらにいて次のターゲットを狙う生活をしている」

今回見つかったのは、マダニの一種で「タカサゴキララマダニ」のメスとみられるものだそう。

男性が発見した場所付近には、イノシシも生息しているとみられ、吉冨教授はマダニが見つかっても不思議ではないものの、マダニは病気を媒介することもあることから、注意が必要だといいます。

(愛媛大学農学部・吉冨博之教授)
「愛媛県ではマダニが媒介する病気として、SFTSと日本紅斑熱が知られている。高齢者が主に亡くなっている」

致死率は脅威の10%越え…マダニが媒介するSFTSとは…

では、体長わずか数ミリのマダニに、どんな危険が潜んでいるのでしょうか。

マダニが媒介する感染症の中でも危険なものが、通称「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」と呼ばれる病気で、マダニにかまれてから6~14日間で発症し、発熱、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が出るほか、重症化すると死に至る恐れもあります。

厚生労働省によりますと、マダニにかまれ、このSFTSウイルスに感染した場合、致死率は10~30%程度とのことです。亡くなった患者の多くは50歳以上のため、高齢者は重症化しやすいと考えられるとのことです。

2012年以降、愛媛県内で確認されたSFTS患者数は43人で、このうち12人が死亡しています。

この4月にも、県内の10代の女性がマダニにかまれ、感染症「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」を発症し、26日現在も入院中とのことです。

どう防げば良い!? マダニなどの害虫対策

では、具体的な対策方法です。

・山に出かける際は、暑くても長袖・長ズボン、帽子や手袋などで全身をガード
・マダニに効く成分を含んだ防虫スプレーを使用
・万が一かまれても手でつぶしたり引き抜いたりせず、医療機関へ
・山に出かけたあと発熱などがあった場合、すぐに医療機関へ

防虫スプレーには、ディートと呼ばれる成分と、イカリジンと呼ばれる成分を含むものがあります。

ディートを含む防虫スプレーは、6カ月以下の幼児には利用できないとされている一方、イカリジンを含むものより多くの害虫に対して効果があるとされていますので、用途に応じて使い分けるとよいでしょう。マダニに対してはどちらも効果があるとされています。

ただ、これらの防虫スプレーが完全に虫がつくことを防げるわけではないため、防虫スプレーを過信することなく、長袖・長ズボンにするなど、様々な防護手段を組み合わせて対策することが大切です。

人だけじゃない!? ペットのイヌやネコに咬みつくことも…

また、マダニは人だけでなく、ペットのイヌやネコにもかみつくことがあります。

マダニはイヌやネコなど、人以外の動物に対する感染症の病原体を持っている場合もありますので、ペットの健康を守るためにも、散歩後にはペットの体表をチェックし、マダニが咬みついてしまった場合は、無理に取らず、獣医師に除去してもらうのがよいでしょう。

27日から始まったGW。これから本格的なアウトドアシーズンに入りますが、山や森へのお出かけ、屋外でのキャンプや農作業などを行う場合は、マダニなどの害虫への対策も忘れないようにしましょう。

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