「愚か者はどこにでも存在する」 アトレティック・クルブのニコ・ウィリアムズ、アトレティコ戦で人種差別の被害者に

写真:ゴールを決めるも敵地で勝ち点獲得はならなかったニコ・ウィリアムズ ©Getty Images

現地時間27日、アトレティコ・マドリード vsアトレティク・クルブの一戦がシビタス・メトロポリターノで行われ、ホームのアトレティコが3ー1で勝利し、来季のCL出場権獲得へ大きな勝ち点3を手にした。

4位と5位の直接対決ということもあり注目を集めたこの一戦。しかし、36分にアトレティック・クルブのFWニコ・ウィリアムズが、一部観客から人種差別的侮辱を受けたとして、試合を中断するよう審判に要求した。この日、主審を務めたマルティネス・ムヌエラは、選手の要求通り試合を中断し、ラ・リーガのプロトコルに従い場内アナウンスで『人種差別チャントを制止』するようマッチコミッショナーに要請した。

その後、約2分間の中断を経て試合は再開され、45分にゴールを決めたニコ・ウィリアムズはスタンドに向け自分の肌を指差し、人種差別には決して屈しないという確固たる姿勢を示した。

そして、試合後に『DAZN』のインタビューに応じたニコ・ウィリアムズは、赤裸々にそのシーンを振り返っている。

「コーナーキックを蹴りに行って、Mono(モノ:スペイン語で猿を意味する人種差別用語)という叫び声を聞いた。ごく数人によるものだったが、どこの世界にも愚か者は存在する。少しずつ良い方向に向かっていくよう願っているし、戦い続けていかなくてはいけない」

「ゴールセレブレーションはそれに対する怒りのような部分もあった。肌の色で侮辱するなんて常軌を逸していると思う。でも、自分は自分の事に集中して、今後も続けていくだけだよ」

なお、アトレティコ・マドリードのキャプテン、MFコケは「人種差別するような人間は社会において居場所はない。アトレティコ・マドリードの選手、ファンは皆ニコの味方だ」とコメントし、ニコと共に戦う姿勢を示している。

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