災害時にEVで電力供給へ協定 京都府亀岡市と日産、ニチコンなど 給電器は地元製

電気自動車から家電に電気を供給する持ち運べるタイプの給電器について説明するニチコン幹部=亀岡市役所玄関前

 京都府亀岡市とニチコン、日産自動車、京都日産自動車が、電気自動車(EV)を活用した非常時の電力供給体制の整備や環境教育で連携する4者協定を締結した。避難所の電力源確保で災害対応を強化し、公用車などの電動化促進で脱炭素につなげる。

 日産は同様の協定を全国で結んでおり、府内の自治体とは久御山町、福知山市に続き3例目。ニチコンは亀岡市の工場でEV用給電器などを製造しており、協定に加わった。

 協定により、災害時に京都日産がEVを市内の指定避難所などに貸与する。ニチコンが貸し出す持ち運び型の給電器とEVをつなげば、家電などの電源として使える。

 23日に市役所で締結式があり、桂川孝裕市長とニチコンの森克彦社長、日産の青木基樹地域担当部長、京都日産の中村正人社長が出席して協定書を交わした。

 桂川市長は「能登半島地震で生活インフラが重要だと改めて痛感した。災害時にEVと給電器で電気が使える環境が整えられる」とあいさつした。EVに給電器をつないで電源に使う実演も行われた。

EVによる給電システムなどの普及に向けた4者連携協定を結んだ亀岡市の桂川市長(右から3人目)ら=市役所

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