山岳遭難4~5月多発「計画立て登山届提出を」 大分県警が呼びかけ【大分県】

祖母山の登山口に設置された登山届入れ=26日、竹田市神原

 新緑のシーズンを迎え、県内の山々に登山者の姿が目立ち始めた。大型連休がある4~5月は例年、山岳遭難が多発する傾向にある。県警は事前計画をしっかり立て、万一に備え登山届を提出して登るよう呼びかけている。

 県警によると、県内は2019~23年の5年間で、計216件の山岳遭難が発生した。12人が亡くなり、2人が行方不明。39人が骨を折るなどの重傷を負った。内訳は「道迷い」が4割以上を占める97件で最多。転倒(45件)、滑落(28件)、疲労による下山不能(15件)―と続いた。

 県警は防止策として▽衛星利用測位システム(GPS)付きのスマートフォンと予備電源の携帯▽経験や体力に応じた登山計画の設定▽非常食や雨具、照明器具の準備▽天候不良時の早急な下山▽複数人での行動―などを勧めている。

 トラブルに備え、登山届の提出も促す。名前や連絡先、ルートなどを記入するようになっており、警察や消防の捜索活動で役立つという。最近は登山口のポストに入れる形式だけでなく、登山者向けのアプリなどから入力、提出することもできる。

 県警によると、昨年発生した山岳遭難45件のうち31件は登山届が出ていなかった。地域課の大神崇資次席(56)は「緊急事態のとき、自分の命を助けるので、必ず提出してほしい。十分な準備をして、安全に登山を楽しんでもらいたい」と呼びかけている。

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