教師目指す大学1年生 目の難病抱える自分の人生から同世代に伝えたいこと

目隠しをする学生たち。

先週、宮城大学で行われたのはブラインドサッカーの体験会。

足元のボールを音がする方向に蹴ろうとするが、視覚を遮った状態だとうまくミートできず、ボールが逸れてしまう。

参加した大学生

「難しかったです。」

講師の一人、齋藤陽翔さんは、ビシッと正確なパスを通す。

陽翔さんはブランドサッカーの選手

ブランドサッカーの社会人チームの選手で学生たちとは同世代の大学1年生です。

齋藤陽翔さん講演

「小学校3年生くらいの頃に遡りますが私はこの頃一言でいえば超が付くほどの引っ込み思案で自分に自信が持てませんでした。自由に動き回れること、自由にボールを蹴られることにとにかく感動しました。そして自分も健常者と同じようにスポーツを出来ることがとにかくうれしく、 同時に自分に自信がつくようになりました。」

陽翔さんは1歳の時、進行性の目の難病網膜色素変性症と診断された。

母・幸子さん

「保育所に入ってほかの子供たちと同じことをやるのは陽翔にとっては大変だったと思うので少し友達は少なかったのは正直少なかった。」

視力は0.1以下で成長と共に視野も狭くなってきている。

陽翔さんに自信をくれたのがブラインドサッカーとの出会いだった。

自信をくれた「ブラインドサッカー」

両親も自宅の庭に手作りのコートを作るなどして応援してくれた。

アイマスクとヘッドギアを装着するブラインドサッカーはパリパラリンピックの正式種目にもなっている。

この春、陽翔さんは宮城教育大学に入学した。

この大学を選んだのは「教師になる」という夢をかなえるため。

齋藤陽翔さん

「生徒に挑戦できるような機会を提供してあげられるような先生になれたらいい」

陽翔さんは長期休みの際などは障害児のデイサービス施設でボランティアをしている。

陽翔さん

「はい、ごくん。OK!」「こっちかな、これ食べたいのかな…そうだね食べたいんだねこっちがね。」

子どもたちと一緒に過ごす中でそして自身が視覚支援学校で先生に支えてもらった経験から「教師になる」という目標ができた。

陽翔さん

「僕自身、小中学校の時に自信がなかったので言いたいことも言えなったししたいこともできなった。なにかつらいと思っているところをお手伝い出来たら」

何か一つ自信を持てること見つける。

そのきっかけを作ってあげられるような教師になりたいと思っている。

参加した大学生

「本当に見えてるんじゃないかと 思うプレーをしていたのですごいと思いました。」

同世代に伝えたい「障がいはただの一つの個性」

陽翔さんには同世代の学生たちに伝えたいことがあった。

齋藤陽翔さん講演

「障がいはただの一つの個性であることを認めていただきたいと思います。」

齋藤陽翔さん

「同い年ということで何か日常で障害に対する見方をちょっとでも変えることができたたうれしい。障害は個性の領域の違い。一番伝えたかった内容」

大学生活の4年間…

夢をかなえるため1日1日を大切にしたいと考えている。

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