多摩川橋リニューアル工事 NEXCO中日本  DXの取り組み公開 川崎市宮前区

「移動式床版架設機」で新しい床版を設置(上)作業内容を確認できるバーチャル画面(下)

今年11月まで続く東名高速多摩川橋リニューアル工事を進めるNEXCO中日本は4月18日、作業時間の短縮や事故防止の観点からデジタルトランスフォーメーション(DX)を取り入れた取り組みを、報道関係者に公開した。

1968年4月に開通した東名高速は施工から55年が経過したことから、東京IC〜川崎IC間(7・6Km)の区間を含む計4区間でリニューアル工事を進めている。このうち多摩川にかかる495mの多摩川橋リニューアル工事では、1枚約10tの「床版」1000枚を張り替える必要があり、これまでに8割が完了している。

東京IC〜川崎ICの区間は一日で10万台を超える交通量があることから、NEXCO中日本では工事による渋滞を回避するため、片側車道をふさぐ大型クレーンによる従来型の工事ではなく、最小で1・5車線分で済む「移動式床版架設機」を使用。渋滞予測に基づき作業を実施中という。

また、建設業界全体で作業員の高齢化や働き手不足が深刻化していることから、3DCGによる「施工シミュレーター」を導入。トヨタ自動車の未来創生センターと大林組が共同で建設工事における生産性向上を目的に開発したシステムで、大規模工事の現場での実用化は初めてという。NEXCO中日本東京支社の現場責任者は「作業前にCGのバーチャル画面で細部まで確認できるため、事故防止や時短につながっている」と手ごたえを語った。

最新技術などリニューアル工事の情報は事業PR施設「東名多摩川橋インフォーションセンター」で一般公開している。入場無料(要予約)。詳細は「東名多摩川橋インフォメーションセンター」(https://toumeitamagawabashi-kengaku.resv.jp/)へ。

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