にぎわう県内、広がる笑顔 コロナ5類移行後初のGWスタート

夏のような暑さの中、円安もあり帰省だけでなく観光で訪れた人も多かった山形新幹線つばさのホーム=山形市・JR山形駅

 最長10連休となるゴールデンウイーク(GW)が27日、スタートした。新型コロナウイルスの感染症法上の5類移行後、初のGWだが、山形市のJR山形駅では帰省客は家族との再会に笑みを見せ、県内の観光スポットはにぎわった。記録的な円安などを背景に「安近短」の国内旅行や近場の観光、レジャーを選ぶ人が多く、県内の観光関係者はコロナ禍前の活気が戻ることを期待している。

◆鶴岡・加茂水族館

 費用が安く、距離も近く、日程が短い予定を組む人が多い傾向で、季節外れの暑さもあり、首都圏から本県など北を目指す観光客もいる。「クラゲ展示の規模が違う。来て良かった」と東京都調布市、会社員高塩晃貴さん(30)と妻寛子さん(28)は鶴岡市の加茂水族館を初めて訪れ、笑顔を見せた。海外旅行も考えたが、円安などで断念したという。同館総務課主査の渡辺葉平さん(43)は「後半にかけて遠方からの来館者が増えることを期待している」と話した。山形駅は家族連れや、スーツケースを引く訪日外国人客らの姿が目立った。オランダから山菜を食べに訪れたというスティング・アリアルさん(55)は「円安が訪日の後押しになった。長く滞在したい」とガイドブックを広げた。

◆道の駅

 県内の道の駅もにぎわった。山形市の道の駅やまがた蔵王では、地震に見舞われた台湾の台南市観光物産展が開かれていた。仙台市から家族4人で訪れた鈴木香織さん(36)も円安で海外旅行を諦め、「気分だけでも外国の雰囲気を味わいたい」と品定めしていた。米沢市の道の駅米沢に、上山市へ向かう途中、家族4人で立ち寄った福島県郡山市の小山田英里さん(30)は「お金をあまりかけず、近場で子どもたちを楽しませたい」と話した。

◆山形・蔵王温泉

 山形市の蔵王温泉は宮城、新潟など隣県ナンバーの車が目立った。涼を求めて訪れる人が多く、蔵王温泉観光協会の黒崎広宣事務局長(63)は「GW初日としては昨年より観光客は多い印象だ」と語る。足湯を楽しんでいた宮城県名取市増田1丁目、会社員永野翔大さん(27)は「そばを食べに来た。山桜はきれいで、気温もちょうど良い」と満喫していた。

加茂水族館の円形大水槽「クラゲドリームシアター」。暑さもあり本県を目指す人は多い=鶴岡市

© 株式会社山形新聞社