『VIVANT』『アンチヒーロー』で話題の俳優が宣言「プロゴルファーになる」 異例のYouTubeも始動

10年間で日曜劇場13作品に出演【写真:山口比佐夫】

ベスト72の馬場徹、5時間練習の日々「役者業に通じるものが」

俳優の馬場徹(35)が、TBS系連続ドラマ『アンチヒーロー』(日曜午後9時)で姫野検事を好演している。2014年の『ルーズヴェルト・ゲーム』以降、10年間で同枠13作品に出演。そんな彼が今年3月、ゴルフ専門の公式YouTubeチャンネルを開設した。目標は「プロテスト合格」。その思いを本人に聞いた。

チャンネルのタイトルは『BABBA GOLF ~馬場徹プロゴルファーへの道~~~~』。既にパッティングのプロコーチに指導を仰ぐなど、自身の上達を真剣に突き詰める動画を展開している。そもそも、どのような経緯でゴルフにハマったのだろうか。

「ゴルフ歴は10年ぐらいです。始めたきっかけは知り合いの方にシュミレーションゴルフへ連れて行っていただいたことでした。球技なので簡単にできるものだと思っていたのですが、全然ボールに当たらなくて。その悔しさからハマってしまいました」

馬場は小学生時代、サッカーの名門クラブ・三菱養和で左サイドバックとして将来を嘱望されていた。球技全般に自信はあったが、ゴルフは簡単ではなかった。だからこそ、その「壁」を突破したくなったという。俳優業の合間を見つけ、毎日5時間練習。動画でスイングの状態を確認しながら、約300球を打ち込んでいる。ラウンドは「行けても1か月で4回程度」だが、ベストスコアは72。先日、出場した大会ではダブルス部門でトップタイのスコアで予選突破している。

「始めて5年程で80台に到達できて、そこから70台にはあまり時間をかけずに届きました。現在の平均スコアは85ぐらいです。YouTube初回の収録では、久しぶりに100をたたいてしまいました(笑)。撮りながらだと、普段のような集中力はなかなか出せませんね」

「プロテストに合格」を目標としている【写真:山口比佐夫】

同じレフティーの名ゴルファーに憧れ、「バッバ」で活動

俳優としては、異質のチャンネル開設には2つの思いが込められていた。

「僕は手も足も目も全部左利きなんです。ゴルフもレフティーで、タイトルは大好きな左利きの名手、バッバ・ワトソン選手にちなんで付けさせていただきました。ゴルフに関するYouTubeチャンネルはたくさん存在しますが、僕自身が上達していく過程で、みなさんのためになるようなメソッドを発信できたらという思いがあります。画面を通じて多くの方たちに見ていただきたいので、責任と緊張をかなり感じています」

大事にしているのは、スキルアップを目指すゴルファーの気付きになるようなコンテンツを提供すること。そして、自分自身にも高い目標があるという。

「いつの日かプロテストに合格したいです。まずはティーチングのプロテストに合格し、その後にトーナメントプレイヤーのテストに合格する。目標を高く設定して取り組んでいます」

築いてきた俳優としてのキャリアを捨てるつもりはないが、「ゴルフと役者業には通じるものがある」という。

「サッカーなど他の競技は流動的ですけれど、ゴルフは静止からの動きで独特の緊張感があります。『メンタルのスポーツ』とも言われ、ティーショットやパターを打つ時の緊張感は楽しいです。初めて共演する方に対して緊張する時があったりするのですが、ゴルフで必要ないろいろな場面に対する“心の準備”というのも、演技につながっていると思います」

だが、『BABBA GOLF』では馬場徹ではなく、米ツアー12勝、メジャー大会2勝(ともにマスターズ)のワトソンにちなんで「バッバ」で活動していくという。35歳で決めた本気の挑戦。困難な道だが、成長の過程をさらけ出しながら“俳優兼プロゴルファー”を目指していく。

□馬場徹(ばば・とおる)1988年6月17日、東京都生まれ。2006年に『ミュージカル テニスの王子様』で舞台デビュー。13年の舞台『熱海殺人事件 40years’ NEW』で歴代最年少の主役を務め、「つかこうへい最後の愛弟子」と呼ばれる。14年、TBS系日曜劇場『ルーズヴェルト・ゲーム』で地上波連続ドラマに初出演を皮切りにドラマ、映画、舞台作に多数出演。昨年7月期のTBS系連続ドラマ『VIVANT』では、最終回で裏切者と判明するゴビ役を演じた。兄は元Jリーガーの馬場憂太氏。血液型A。ENCOUNT編集部

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