海外客船 長崎・壱岐に初入港 132人が上陸、観光楽しむ

漁船に見送られて次の寄港地に向かうル・ジャックカルティエ=壱岐市勝本町

 長崎県壱岐市勝本町沖に25日、フランス船籍の客船「ル・ジャックカルティエ」(9900トン)がいかりを下ろし、乗客が小型船で上陸、島内観光を楽しんだ。壱岐市に海外客船が入港したのは初めて。
 ル・ジャックカルティエは全長131メートル、全幅18メートルの大きさで、郷ノ浦町の絵踏新港に着岸することもできた。クルーズ会社PONANT(ポナン)によると、勝本町は古い漁村の雰囲気が残り、寺社や飲食店もあるため、乗客に散策を楽しんでもらおうと、あえて勝本沖から上陸したという。
 今回のクルーズツアーは鹿児島港を出港後、屋久島や甑島列島、天草、上五島を経て壱岐に到着した。日本人約20人を含む19ケ国の乗客132人が上陸。勝本浦の朝市を散策したり、「はらほげ地蔵」(芦辺町)や一支国博物館、原の辻󠄀遺跡などの観光名所をバスで巡ったりした。
 東京都の小泉美智子さんは「景色が素晴らしかった。原の辻󠄀遺跡をはじめ、もっと宣伝すれば訪れる人は増えると思う」と話した。
 乗客が船に帰ると、大漁旗を掲げた勝本町漁協の漁船10隻が海上パレードをして見送った。

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