定年後の生きがい作りとしても注目される「有償農業ボランティア」とは?

有償ボランティアとは?

有償ボランティアとは、ボランティア活動を行い、実費や交通費などの金銭を得る行為のことです。

アルバイトとの違いは、労働として働いているか働いていないかの違いがあります。

アルバイトの場合は、労働をした対価として給料という形でお金を受け取ります。
一方で、社会貢献の意識のもとで自発的に働き、経費や謝礼といった形でお金を受け取るものが有償ボランティアです。

本来、ボランティア=無償というイメージが強いかもしれませんが、有償となった背景の1つには利用者側の心理的な負担を軽減する目的があります。

「無償でここまでやってもらって申し訳ない」「無償だと仕事を頼みづらい」などと感じている利用者にとって、有償にすることで対等の関係となり利用しやすくなります。

さらに、支援者側も無償ではなく有償であれば、ボランティア活動に対しての責任感も強くなる可能性もあるでしょう。

有償農業ボランティアとは?

有償農業ボランティアとは、援農ボランティアとも呼ばれ、決められた謝礼を受け取り、人手不足や後継者不足に悩む農家の方を支援するプロジェクトのことです。

初心者の方でも参加できるケースが多く、作業内容は支援する農家により異なりますが、野菜の収穫や堆肥散布、除草作業などさまざまです。

支払われる対価も農家により異なるため、一概にはいえませんが、時給制で謝礼金として支払われたり、地域で使えるクーポン券がもらえたりします。
例えば、愛媛県の愛南町では、1日7.5時間活動した場合、5000円分のクーポン券が受け取れます。

有償農業ボランティアは登録制のため、市町村役場に必要書類を提出してボランティアの申し込みを行わなければいけません。

登録後は、役所側が支援者と農家をマッチングさせ、顔合わせや初回の活動日などを取り決め、お互いが合意したらボランティア活動を開始できます。

お住まいの自治体が有償農業ボランティア(援農ボランティア)を行っているかどうかは、自治体のホームページなどから確認しましょう。

有償農業ボランティアを行うメリット

シニアの方は、農作業を通して体を動かせば、生活習慣病の予防や身体機能の向上につながる可能性があります。

また、定年を迎えて仕事から離れると、自分のこれからの役割がなくなり、孤独感や虚無感に陥るケースも考えられます。
しかし、ボランティア活動をすれば再び社会との接点が生まれ、誰かのために活動できている充実感や生きがいにもつながるでしょう。

さらに、ボランティアを通じて新しいコミュニティーができます。人とコミュニケーションを取ることが日常的になり、脳が活性化されて認知症予防などのよい影響も期待できる可能性があります。

有償農業ボランティアは社会貢献や生きがいにもつながる

定年後は、シニアも活躍できる有償農業ボランティアを通して、社会貢献や生きがいなどにつなげられるでしょう。

無報酬ではないため、利用者は心理的な負担が軽減でき、支援者も報酬があることで活動に対する責任感が生まれる可能性があります。

定年後のセカンドライフ形成の1つとして、有償農業ボランティアも検討してみてください。

出典

厚生労働省 社会・援護局 地域福祉課 ボランティアについて(2ページ)
公益財団法人 東京都農林水産振興財団 農作業サポーター・ボランティア取り組み 事例集(3ページ)
NPO法人 たがやす 有償援農ボランティアの参加者募集!
愛南町 愛媛お手伝いプロジェクト(有償ボランティア事業)についてお知らせします
立川市 援農ボランティアをやってみませんか?

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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