定年後に「再就職」と「再雇用」どちらを選ぶべきか悩んでいます。ほとんど給料が変わらなくても、再雇用のほうが慣れていて働きやすいでしょうか?

再就職を選択するメリット・デメリット

再就職は、これまでの職場とは違った環境で働きたい人におすすめです。「経験を生かして、新しい環境でいろいろなことにチャレンジしたい」と考える人に選ばれる傾向にあります。

正社員としての契約だけではなく、アルバイトや契約社員などの雇用形態も多く、時短勤務や週4勤務など自分のペースで働くことも可能です。収入面では大きく減少する可能性もありますが、年金などと組み合わせるので問題なしと考える人も少なくありません。

再就職先を探す際には、ハローワークやシルバー人材センターなどを活用することをおすすめします。数多くある求人情報から自分に合っているものを選ぶとよいでしょう。

デメリットはなかなか再就職先が見つからないというケースがある点です。また、再就職がうまくいかずにブランクが長くなれば、さらに就職先を見つけるのが難しくなる可能性があります。

再雇用を選択するメリット・デメリット

再雇用は、高年齢者雇用確保措置の一つであり、定年退職した後に新しい雇用契約(アルバイトや契約社員などが多い)を結べる制度です。
原則として努力義務にはなりますが、近年は労働力確保などの観点から多くの企業が取り入れています。定年退職まで勤務していた従業員は自社の業務に必要な専門的な知識やノウハウを豊富に持っているため、企業としても新人を雇用するよりも教育コストを抑えることができます。

再雇用されると給料が定年退職前より下がるケースも多いですが、仕事内容は以前と同様の場合になることも考えられます。
新しい仕事に適応するストレスはあまりない一方、給料が下がっているのに定年前と変わらず難しい仕事を任されるなどのデメリットもあるでしょう。年を重ね体力面などの不安を抱える人も多いため、これまでとは違った働き方ができないかなども視野に入れて考えるのがおすすめです。

生活が安定して送れるかもポイント

再就職でも再雇用でも、どれくらいの給料がもらえるかは、老後の生活を考えても重要なポイントです。
定年退職後の主な収入は年金である人が大半ですが、多くの場合で定年退職前よりも収入が少なくなることが予想されます。そのため固定費と生活費など全体的な支出と収入について定年退職前に確認しておく必要があるといえます。
再就職にも再雇用にもそれぞれ異なるメリット・デメリットがあるため、一人ひとりの考え方やライフスタイルに合わせた判断が大切です。

まとめ

近年は定年後の生活に不安を感じる人が多いことも影響して、定年退職後にも再就職や再雇用で働く人が多くなりました。その選択には「正解」はありません。自身の考え方やライフスタイル、心身の健康面などに合わせて、ベストだと思える働き方を選べるようじっくり検討しましょう。

出典

厚生労働省 高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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