中国の国産小型ジェット機「ARJ21」、インドネシアで商用運航1周年

中国の国産小型ジェット機「ARJ21」、インドネシアで商用運航1周年

インドネシアのトランヌサ航空に納機されたリージョナルジェット機「ARJ21」。(資料写真、上海=新華社配信)

 【新華社ジャカルタ/上海4月28日】中国が独自に研究開発し、知的財産権を100%所有する小型ジェット機「ARJ21」は2022年12月18日、海外顧客第1号となるインドネシアのトランヌサ航空に納機され、海外進出を果たした。翌23年4月18日には、首都ジャカルタとバリ島を結ぶ路線で商用運航を開始し、今年4月18日に1周年を迎えた。

 同航空のレオ・ブディマン副理事長は「私がARJ21に搭乗する際は、いつも同機のパフォーマンスを知りたいと思う。事実が示すように、運航から1年が経ち、パフォーマンスは非常に優れている」と語った。

 同社はこの1年に「ARJ21」2機を受け入れ、6路線を就航し、8都市に通じ、利用者数は延べ12万人に迫った。国内線に限らず、国際線も就航しているほか、標準的な空港だけでなく、滑走路が狭くて短い空港にも離着陸でき、インドネシアや東南アジア市場での同機の強みと将来性を十分に示し、信頼性と安定性を証明した。

 トランヌサ航空での商用運航1周年達成の背景には、メーカーである中国商用飛機(COMAC)との一致協力がある。COMACはこの1年、ベテランの操縦教官や、現場で技術をサポートする安全管理専門家とエンジニアリングスタッフをインドネシアに派遣したほか、ジャカルタにカスタマーサービスセンターの東南アジア事務所を設立し、すぐそばで、効率的で現地化されたスタッフ教育、航空機材の補充、航空機整備などの保障サービスを提供している。

 トランヌサ航空の劉晩亭(りゅう・ばんてい)中国董事長によると、同社は今後、ジャカルタ、バリ島、スラウェシ島マナドを中心とする航路網を構築するほか、「ARJ21」の利用路線をオーストラリアと中国にも広げるという。さらに、近いうちに「ARJ21」3機目を受け入れ、運航能力の充実を図る。劉氏は「ARJ21」の海外での運航について、旅客がよく搭乗し、航空会社が頻繁に運航し、金融機関が好んで投資する優秀製品であることを実証していると述べ、東南アジア市場での見通しは明るいとの見解を示した。

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