賃貸VS持ち家 得なのは「余裕で賃貸」と40代公務員が断言するワケ 30年間で2000万円以上の差

賃貸・持ち家それぞれにメリット・デメリットはあるが……(写真はイメージ)【写真:写真AC】

初期費用や月々の支払い、保険料や修繕費など、住まいに関わる費用を細かく比較

住まいにおける永遠のテーマである、“賃貸・持ち家”論争。ある公務員の男性が投稿した賃貸と持ち家の費用比較が、ネット上で話題を呼んでいる。男性は地方に住む公務員で、悩んだ末に家を買わずに戸建て賃貸に住むことを選択。賃貸と持ち家それぞれで発生する費用を算出、30年単位で2000万円以上の差が出ることから「私の場合、余裕で賃貸がいい」と結論づけている。賃貸と持ち家、それぞれにメリット・デメリットはあるものの、いったいどちらがお得なのか。投稿者の男性に話を聞いた。

「知らないと損する 賃貸VS持ち家はどっちがお得?」

男性が今月21日に行った投稿では、初期費用や月々の支払い、保険料や修繕費、家賃補助など、住まいに関わる収支を細かく比較。あくまでこの男性の住環境や管理費の有無などを踏まえ独自に計算したケースとして、30年間の合計費用では賃貸が2570万円、持ち家が4990万という計算になったといい、「私の場合、余裕で賃貸がいい」と結論づけている。投稿は1300件を超えるリポスト、7000件を超える“いいね”が集まるなど話題に。「私も賃貸派です」「地域ですごく差がありますよね。都心と地方は正反対なイメージです」「『この土地に腰据えよう』って気がないなら賃貸で十分なんよな。だからみんな、子供が生まれると家買うんだよ」など、さまざまな意見が寄せられている。

一般的に、持ち家では賃貸でかかる月々の家賃分をローン返済に充て、返済後は家を資産として所有できることから、持ち家の方がお得との見方が浸透している。一方で家は経年劣化による修繕が必要となったり、災害などで家そのものが失われるというリスクもつきまとう。地価高騰が見込まれる都市部と過疎化が進む地方とでは事情も異なり、一概にどちらの方がお得とは言い切れないのが実情だ。

自身の状況について、「人口10万人以下の自治体の地方公務員で、40代夫婦、子どもは小学生2人を育てています。妻はパートで月7万円ほどの収入があります。ちなみに、今住んでいる自治体は20年後に人口が約半分になることが予想されています」と男性。住宅は4LDKの戸建て賃貸、駐車場は3台駐車可能、築20年は経過しているものの、内装はリフォーム済みでキッチン、洗面所、風呂場は新品同様とのことだ。「ちなみに実家は近場で築10年ぐらい。将来はそちらに戻れる環境も整っています」と説明する。

今回、賃貸と持ち家の比較を行った理由については、「都市部では戸建て有利という記事を見て、私の状況の場合との比較リストを作成してみました。実家を建て替えたのは果たして正解だったのかと計算しましたが、過疎化が進んでいる地域で金銭面のみで考えるとデメリットしかなく……。私自身、35年ローンで家を購入する寸前までいきましたが、いずれ実家の面倒を見ないといけなくなることや、子どもをその土地に縛ってしまうことから、総合的に判断してやめました」と自身の経験と照らし合わせてのことだったという。

一連の反響を受け、男性は「こんなに反響があると思いませんでした。今後人口増が見込める都会の方からすると、的ハズレの内容のようです。一方、今後人口減が見込まれる地方だと、さまざまなリスク、災害、家族構成の変化、売れない不動産などからあながち間違ってもいないかなと。いろいろな方の声をいただいて勉強になりました」と話している。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム

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