高校生の娘が「看護師」を目指しています。20代で「年収400万円」を目指せるようですが、激務とも聞くので心配です。やはりストレスなど大変でしょうか…?

看護師は20代で年収400万円を目指せる仕事

厚生労働省が集計した「賃金構造基本統計調査」によると、20歳から24歳の看護師の給与額は毎月約26万円で、年間賞与などの特別給与額は年間約46万円、年収にするとおよそ360万円です。

25歳から29歳になると、年収はおよそ430万円にもなり、20代のうちに年収400万円を目指せることがわかります。給与や賞与は60歳まで上がる傾向にあり、資格を保有していれば全国どこでも働ける職業でもあるため、まさに「手に職を付ける」おすすめの仕事ともいえます。
また、病院での診療補助を主な業務とする「准看護師」の場合は、25歳から29歳でおよそ340万円の年収です。

20代で年収400万円は国内でも高水準

20代のうちに年収400万円を目指せる仕事は、現在の日本においてそう多くありません。同じく「賃金構造基本統計調査」によると、介護支援専門員である「ケアマネジャー」は、25歳から29歳の平均年収が約290万円でした。

業界にもよるところはあると思いますが、看護師は他の業種よりも比較的高水準な給与であることがわかります。
看護師になるためには3~4年学校に通い学ぶ必要があり、ただ学ぶのみでなく臨機応変に対応する思考力やコミュニケーション能力も必要とされる大変な仕事ですが、その分金銭面で困ることは少ないといえるでしょう。

看護師が激務と言われる理由

看護師は激務であり、体や心の不調で退職する人も多い職業です。その原因には、以下の点が挙げられます。

__●慢性的な人手不足
●勤務時間が不規則
●理不尽な要求のストレス__

慢性的に人員不足である病院では、看護師一人ひとりの負担が大きくなり、業務に追われます。業務量が増えれば長時間残業せざるを得ない状態や、確認不足によりミスが発生すれば、心と体の不調も心配されます。

そして看護師は24時間態勢で勤務することもあるため、日勤と夜勤が入り混じった不規則なシフトが当たり前になってしまうこともデメリットです。体内リズムが狂うと睡眠をとるべき時間に寝られなかったり、疲れが取れなかったりなどでさらに業務に支障をきたすでしょう。

また看護師は職場での報連相や患者の話を聞くなど、コミュニケーションが求められる仕事です。忙しい中で医師や同僚とやり取りをして、患者からの理不尽な要求があっても対応しなければならないことがストレスになることも懸念されます。

まとめ

看護師は20代でも年収400万円を目指せて、資格を保有していれば転職もしやすく、金銭面では不安の少ない職業の一つです。しかしストレスが溜まりやすい職業でもあり、心や体の不調を感じて退職を余儀なくされる人もいます。

ただし、看護師は場所を問わず求められている職業であり、転職で環境が変わればストレスを感じずに働き続けられることもあります。親にとっては看護師である前に大切な子どもです。大切な夢を後押しするとともに、夢を叶えて看護師になったにもかかわらず、つらそうにしていることがあれば、無理をせずに一度環境から離れてみるようにアドバイスをしてあげてください。

出典

厚生労働省 賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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