新NISAでも株主優待券を受け取れると聞きましたが、どうやって買うのですか?

株主優待株は新NISAの成長投資枠で買える

新NISAには、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」がありますが、株主優待株は成長投資枠でのみ購入可能です。成長投資枠は株式や投資信託が対象で、つみたて投資枠は投資信託のみが対象です。図表1は、各投資枠の詳細です。

【図表1】

※金融庁「NISAを知る」を参考に筆者が作成

新NISAで株主優待投資を検討する際には、成長投資枠を考慮する必要があります。

株主優待をもらうには?

株主優待投資を行う場合、「権利付最終日」「権利落ち日」「権利確定日」を理解しておくことが重要です。

・権利付最終日:権利確定日の2営業日前。優待の権利を得られる最終取引日
・権利落ち日:権利付最終日の翌営業日。権利落ち日に株を取得しても優待の権利を得ることはできない
・権利確定日:企業の株主名簿に記載される日(権利が確定する日)※基準日とも呼ばれる

つまり、株主優待を受け取るためには、権利付最終日までに株を保有している必要があります。権利付最終日に株を購入しておらず、権利落ち日や権利確定日に株を購入しても、優待を受け取れません。

例えば、権利確定日が30日(月)の場合、権利付最終日はその2営業日前の26日(木)であり、権利落ち日は27日(金)になります。権利付最終日に株を購入して、権利落ち日に株を売ったとしても優待を受け取れます。

新NISAで株主優待株を買う流れ

新NISAで株主優待株を買う流れは、以下のとおりです。

  • 1.証券口座・新NISA口座を開設する
  • 2.株主優待株を探す
  • 3.株主優待株を権利付最終日までに買う
  • 4.株主優待が届く

まずは、証券口座および新NISA口座を開設します。各証券口座で特徴が異なるため、自分に合った口座を選ぶことが重要です。例えば、ポイントの有無や還元率、情報量、ツールの機能、付帯サービスなどが異なります。

口座を開設したら、購入する株主優待株を見つけます。優待株によって、株価や最低投資金額、優待利回り、権利月などが異なるため、事前に確認することが重要です。

投資する優待株を選んだら、権利付最終日までに購入します。通常、権利確定日から2~3ヶ月後に株主優待を受け取れます。

株主優待株を買う際の注意点

優待投資を行う際には、いくつかの注意点があります。例えば、優待株によって優待を獲得する条件が異なるため、権利付最終日までに単元株である100株を購入したとしても、優待を受け取れない場合があります。事前に注意点を理解しておくことで、計画的な優待投資を実現可能です。

本項では、株主優待株を買う際の注意点について詳しく見ていきましょう。

権利付最終日までに株を買う

株主優待を受け取るためには、権利付最終日までに株を保有する必要があります。権利落ち日や権利確定日に株を購入しても、その期間の優待を受け取れません。

希望する優待株がある場合は、権利確定日を把握しておき、権利付最終日までに株を購入するよう心がけましょう。

株を買うまでに優待の条件を確認する

優待によって獲得条件が異なるため、優待株を購入する前に条件を確認することが重要です。優待を受け取るための必要株数や基準日(権利確定日)、必要な保有期間などを確認して、優待株を選択しましょう。

損失を抱えるリスクがある

優待株の株価が下落すれば、優待の価値を上回る損失を被る可能性があるため、注意が必要です。そのため、優待利回りや優待内容だけで、株を安易に購入することは危険です。優待株を購入する前に、その企業の将来性や成長性、過去の業績などを確認することをおすすめします。

優待株だけで生活するには多額の投資資金が必要

新NISAを利用することで、非課税の恩恵を受けながら優待投資が可能です。ただし、優待を受け取るには、権利付最終日までに株を購入しなくてはなりません。

株価が下落して優待の価値以上の損失を被る場合もあるため、注意が必要です。また、優待利回りは0.5〜3.0%程度が多いため、優待だけで生活を維持するには相応の投資資金が必要です。優待投資は魅力的で人気がありますが、リスクも考慮した上で取り組むようにしましょう。

出典

金融庁 NISAを知る

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

© 株式会社ブレイク・フィールド社