「危機に陥った韓国サッカー」相次ぐ失策に母国メディアも危機感「世論の矛先はチョン・モンギュ会長に向けられている」

「失敗の連続」

ここ最近の不振を受けて、韓国メディア『スポーツワールド』は、「危機に陥った韓国サッカー... 相次ぐ失策で強まるチョン・モンギュ責任論」と題した記事で、現状を嘆く。

「ファン・ソンホン監督が率いる五輪代表チームは、U-23アジアカップの準々決勝でインドネシアに敗れ、40年ぶりに五輪本戦出場を逃した。監督は頭を下げたが、世論の矛先は、大韓サッカー協会のチョン・モンギュ会長に向けられている」

記事では、「会長の相次ぐ無茶な施策が韓国サッカーの競争力を低下させた」と指摘し、これまでの“失策”を振り返る。

「昨年3月、論争の中でユルゲン・クリスマンを監督に招聘したのが始まりだった。前任のパウロ・ベント監督の時とは異なり、選任過程が不透明であるとの指摘が相次いだ。クリンスマンに関しては、就任当時も戦術的な能力が低いという懸念があった。しかし、大韓サッカー協会は特別な理由を明らかにせず、クリンスマンの選任を強行した」

その結果は「大失敗だった」と評する。

「クリンスマン前監督は就任期間中、遠隔勤務や、Kリーグ軽視など数々の論争を起こした。64年ぶりの優勝を叫んだアジアカップでは、選手たちの葛藤だけを残し、惨敗を味わった。協会は背中を押されるようにクリンスマンを更迭した」

【PHOTO】日韓戦の会場を華やかに彩った韓国女子サポーターを特集!
問題は続く。

「後任人事に入った協会は、3月のAマッチを正式な指揮官体制で行なうと言っていたが、Kリーグからの監督引き抜きの論争が起きると、暫定体制に立場を変えた。オリンピック予選を控えたファン・ソンホン監督に臨時の指揮を任せたが、結局は“毒”になった。

ファン・ソンホン監督は『暫定監督は大きな影響はなかった』と否定したが、オリンピック予選を1か月前に控えて首脳陣が不在になったのは打撃に。最も重要な目標であるオリンピック本戦進出は果たせず、“一石二鳥”は失敗に終わった」

その他では、「今年6月に予定されていた天安サッカー総合センターの建設も遅れているため、各世代別代表チームは招集されるたびに、練習場が固定できていない」という。

スポーツワールドは、チョン・モンギュ会長の在任期間で「韓国サッカーのシステムは大きく揺らいだ」と手厳しく言及する。

「世代別代表チームも連続性がないため、長期的な計画を立てにくい。ファン・ソンホン監督もこの点を指摘している。彼は『言い訳のように聞こえるかもしれないが、現在の世代別代表チームの運営構造とシステムは、絶対に変わらなければならないと思う。私が2年ほど携わって感じたことは、今の構造とシステムなら、(上位チームとの)格差はもっと広がるだろうし、(下位チームとの)格差はもっと狭まるだろうということだ』と強調した」

難局に直面する韓国サッカー界。今後、どのような手を打つか、その動向に注目が集まる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

© 日本スポーツ企画出版社