愛猫のかかりつけ『動物病院』どう選ぶ?距離や相性など、気をつけたい4つのポイント

1.近所にある(できれば夜間・救急にも対応)

猫は本来、自分の縄張りをとても大事にします。病院へ出かけることは、つまり、縄張りの外へ出ること。それだけでも想像以上のストレスです。しかも、車や電車、バスなどで長時間移動すると、心理的、体力的にもかなりの負担になります。

かかりつけ病院の魅力は、愛猫の異変時にすぐ相談できることです。もちろん、普段使いすることで、病気の早期発見につながるメリットもあります。

定期的に通うところなので、やはり、できるだけ近くにあったほうが便利です。結果として、愛猫の移動ストレス、飼い主さんの負担も減らせます。

もし病院があまりに遠過ぎると、愛猫に何か起こったとき、着くまでの間に手遅れになってしまうかもしれません。

さらに欲を言えば、夜間や救急対応も可能な病院を選ぶと、文句なしです。

2.信頼できるかどうか

かかりつけ病院を選ぶ際は、信頼できるかどうかも重要なポイントです。判断材料を集めるためにも、まずは、目当ての病院へ健康診断で訪れてみるのもいいでしょう。

実際に行ってみると、電話対応をはじめ、獣医さんやスタッフさんの愛猫への接し方、清潔感を含む院内の雰囲気など、HP上ではわからないリアルな情報を体感できます。

獣医さんと会話すれば、しっかり話を聞いてくれ、つたない質問にも丁寧に答えてくれるかどうかもわかります。誠実なコミュニケーションは、病院選びの決め手となる要素です。

愛猫が病気になった場合、インフォームド・コンセントを前提に、検査や病状、治療方針、費用について、わかりやすく説明してもらえると、飼い主さんも納得したうえで治療に臨めるでしょう。

3.良心的な料金システムかどうか

人間の病院と違って、動物病院は「自由診療」の世界です。健康保険制度が効きません。一般的な相場はあるものの、同じ治療内容でも病院によって料金設定が異なります。

たとえば、歯周病だと約10万円、異物誤飲は約22万円、骨折では約30万円というように、猫の治療費はかなり高額です。愛猫のためにできるだけお金をかけたい、という気持ちはあっても、飼い主さんの多くは限られた予算で対応するしかないのが現状でしょう。

費用面の負担を考えると、やはり、良心的な料金設定を掲げる病院が理想的です。何にどれだけかかるのか、事前にレクチャーしてくれ、診断書や治療費の明細を発行してくれるところだと、なお申し分ありません。

4.将来的にはキャット・フレンドリー・クリニックも

キャット・フレンドリー・クリニックは、国際猫医学会(ISFM)が認める「猫にやさしい」病院のことです。猫のストレス軽減のため、工夫を凝らした環境づくりに努めています。

認定されるには、スタッフの専門教育の他に、猫専用の待合室や診察室、入院室といった設備面での充実など、実に約100項目の国際基準をクリアしなければなりません。認定基準によって、ゴールド、シルバー、ブロンズ、3つのレベルに分かれています。

2023年11月時点での国内の取得病院数は、ゴールドが140件、シルバーが52件、ブロンズが2件となっています。現段階では、全国で誰もが気軽に利用できる数までは達していません。

ただ、愛猫思いの飼い主さんにとっては、「猫にやさしい」病院の増加は願ってもやまないものでしょう。みなさんのニーズに応えて広く普及すると、将来的にはもっと身近な選択肢になるかもしれません。今後の動向に注目したいところです。

まとめ

愛猫の健康な暮らしをサポートする意味でも、かかりつけ動物病院の役割は非常に重要です。今回は、4つのポイントに絞って、病院選びのヒントを紹介しました。

飼い主さんによって選ぶ条件は違っても、「愛猫の幸せのため」という思いはきっと変わらないでしょう。いろいろトライして、いちばんふさわしいところを選んでみてください。

© 株式会社ピーネストジャパン