町の元職員が310万円着服、準公金の取り扱い「要領制定を」 検討委が報告書

久御山町スポーツ協会の事務執行の検討委から、報告書を受け取る信貴康孝町長(左)=京都府久御山町役場

 京都府久御山町教育委員会の元職員が町スポーツ協会の口座から金銭を着服していた問題で、原因究明や再発防止策を講じる検討委員会は、このほど検討結果を報告書にまとめた。職員が公金以外で取り扱う「準公金」を巡る要領がないことなどを原因としており、町はルールづくりを進めている。

 元職員は同協会事務局として出納を行い、2019~23年度に計約310万円を着服した。町からの補助金などが原資の運営資金で、すでに全額返還されている。児童買春・児童ポルノ禁止法違反の罪で有罪判決も受けており、昨年11月に懲戒処分となった。

 報告では問題の原因として、各課が所管して事務を行う任意団体で準公金の取り扱いの基準が不明確なことを挙げ、不適切な通帳管理や会計処理につながったと分析。1人の職員が同協会の事務を行い、職員間のチェック体制が機能していないといった「人的な課題」もあるとした。

 再発防止策に向けた提言では、町は準公金取扱要領の制定や、補助金を交付する団体への監査を充実すべきとした。町教委やスポーツ協会にも、職員間のチェック体制強化や出納管理のマニュアル策定を求めた。

 町は報告を受け、準公金の取り扱い要領を作成している。補助金を交付する団体の事務改善に活用する。

© 株式会社京都新聞社