中国SF産業の成長が加速、世界で「ブレーク」狙う

中国SF産業の成長が加速、世界で「ブレーク」狙う

27日、2024第8回中国SF大会の関連イベントでインタラクティブ体験を楽しむ来場者。(北京=新華社配信)

 【新華社北京4月28日】中国北京市石景山区の首鋼パークで27日、2024第8回中国サイエンスフィクション(SF)大会が開幕した。開幕式では中国のSF作家、劉慈欣(りゅう・じきん)氏と王晋康(おう・しんこう)氏それぞれの同名小説を原作とした注目の短編映画「地球大炮」と「生命之歌」が初公開された。視覚的にインパクトのある映像を見せるだけでなく、科学技術と人類社会の複雑な関係を深く考えさせる内容で、観客の圧倒的反響を呼んだ。

 劉氏原作の「地球大炮」は人類が科学技術を駆使して地球の内部に巨大トンネルを建設する様子をマクロな視点で描き、科学技術が人類社会に与える困惑と挑戦を問いかける。王氏原作の「生命之歌」は短編集で、一連の生き生きとした物語を通して、より繊細な視点で科学技術の影響を受けた生命のさまざまな変化を描いている。

中国SF産業の成長が加速、世界で「ブレーク」狙う

27日、2024第8回中国SF大会開幕式の様子。(北京=新華社配信)

 近年、「三体」「流転の地球(原題:流浪地球)」など人気作品が中国SF産業の成長を加速させ、先端技術(テクノロジー)の後押しがSF産業に多様な発展をもたらしている。開幕式でバーチャル司会者の幻幻(ファンファン)が発表した「2024中国SF産業報告」によると、23年の中国SF産業の総売上高は、前年比29.1%増の1132億9千万元(1元=約22円)に上った。産業分野では出版が31億7千万元、映像が115億9千万元、ゲームが651億9千万元、文化観光が310億6千万元だった。中国SF産業は加速度的な成長を遂げている。

 北京市や四川省成都市などではここ数年、SF産業の発展に力を入れており、中国のSF文化を世界でいかに「ブレーク」させるかについて検討を重ねている。北京市では市全体のSF産業の総売上高が20年の187億元から22年には292億5千万元に増加した。石景山区には中国初のSF産業集積地がつくられ、関連企業200社余りが進出、「SF都市」が急速に立ち上がりつつある。(記者/陽娜、楊淑君、薛臣)

中国SF産業の成長が加速、世界で「ブレーク」狙う

27日、2024第8回中国SF大会の開催地、北京市石景山区にある首鋼パーク。(北京=新華社配信)

中国SF産業の成長が加速、世界で「ブレーク」狙う

27日、2024第8回中国SF大会開幕式で進行を務めるバーチャル司会者の「幻幻(ファンファン)」。(北京=新華社配信)

中国SF産業の成長が加速、世界で「ブレーク」狙う

27日、2024第8回中国SF大会で「2024中国SF産業報告」を発表するバーチャル司会者の「幻幻(ファンファン)」。(北京=新華社配信)

中国SF産業の成長が加速、世界で「ブレーク」狙う

27日、2024第8回中国SF大会の関連イベントでインタラクティブ体験を楽しむ来場者。(北京=新華社配信)

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