消費の拡大に三つの重点的取り組み必要 新華社経済円卓会議

消費の拡大に三つの重点的取り組み必要 新華社経済円卓会議

海南省海口市の免税店「海口国際免税城」で化粧品を選ぶ人たち。(2月11日撮影、海口=新華社記者/周慧敏)

 【新華社北京4月28日】新華社は25日、有識者が経済問題を議論するオムニメディア形式のトーク番組「中国経済円卓会議」の第4期を配信した。

 番組には、国家発展改革委員会の李慧(り・けい)国民経済総合司副司長、国家統計局の王冠華(おう・かんか)国民経済総合統計司副司長兼報道官、中国のシンクタンク中国国際経済交流センターの張燕生(ちょう・えんせい)首席研究員、深圳上場の製薬会社、重慶華森製薬の游洪濤(ゆう・こうとう)董事長の4人が出席。第1四半期(1~3月)の経済情勢や今後の成長見通しについて意見交換した。

 王氏は消費を新型コロナウイルス流行後の回復から継続的な拡大に転換するには、次に挙げる三つの取り組みを重点的に行う必要があると指摘した。

 ①雇用を引き続き拡大し、住民の所得を増やし、消費力を高めることで、消費可能な経済力を持たせる②消費シーンを刷新し、高品質な商品とサービスの供給を増やし、消費意欲を引き出す③商業・貿易・流通体系を整備し、良好な消費環境を築き、安心して心置きなく、快適に消費できるようにする。

 消費は経済成長をけん引する重要なエンジンである。中国の消費市場は第1四半期、安定した成長を遂げた。社会消費財小売総額は前年同期比4.7%増の12兆327億元(1元=約22円)となり、最終消費支出の国内総生産(GDP)の伸びへの寄与率は73.7%に上り、経済成長を支える重要な役割を果たした。

 王氏は中国の消費市場が2023年から持ち直しつつあり、現在も好調さを維持していると分析した。年初以降、人々が休日を利用して集中的に各種の消費活動を行う「休日経済」から、春になり気温の上昇に伴って接触型消費や文化・観光消費が盛んになる「春日経済」まで、さまざまな消費シーンが次々と生まれている。人々の消費は商品消費が主体のスタイルから商品消費とサービス消費が並行するスタイルへと転換が速まっている。文化・観光消費は人気が高く、グリーン(環境配慮型)消費やデジタル消費、ヘルスケア消費、中国の文化要素を取り入れた「国潮」消費などは注目を集め、新たな経済の成長分野を多く生み出している。

 同氏は「市場は最も希少な資源である。中国は人口14億人以上の巨大な内需市場を持ち、消費の成長性が高く、強靭(きょうじん)性も優れる。われわれの強みはここにあり、自信の源でもある」と発言した。

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