宮下瞳騎手が黄綬褒章を受章…女性ジョッキー初「もっともっと頑張っていきたい」

4月28日、令和6年春の褒章受章者が発表され、名古屋競馬所属の宮下瞳騎手(46)が、黄綬褒章を受章した。地方通算1200勝を超える金字塔を打ち立てており、女性騎手としても初受章となった。黄綬褒章とは「農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する人」に贈られる。

宮下瞳騎手は、1995年にデビューして以来、女性騎手の第一人者として女性騎手通算勝利記録の更新を続けていた中、2011年8月、出産を機に騎手免許を返納して騎手を引退し、育児に専念する道を選んだ。しかし、4歳となった長男からの応援をきっかけに再び騎手を志し、家事育児と並行してトレーニングや学科の勉強に取り組みながら厩務員として競走馬の世話も行うなど、ひたむきな努力を続けた結果、試験に合格し騎手免許を再取得、2016年8月に騎手として現役復帰を果たし、以降も順調に勝ち星を伸ばし、2021年11月には地方競馬通算1000勝を達成。馬の能力や競馬の魅力の向上など競馬の発展に貢献し畜産振興に寄与したことに加え、競馬界では体力面等で不利とされる女性騎手が出産・育児による引退を経て現役に復帰したのは国内初であり、現在も通算勝利日本記録を更新し続けている。

●宮下瞳騎手受章のコメント
「このたび、このような褒章をいただくことになり、大変うれしく思っています。私だけの力ではなくて、ファンの皆様や関係者の皆様、家族の応援のおかげで受章できたと思っています。本当にありがとうございます。そして、この受賞で、日々懸命に努力されている全ての女性の皆様方の夢や希望を、少しでも後押しすることができたら、とも思っています。私も、もっともっと頑張っていきたいと思います。名古屋競馬場でお会いできるのを楽しみにしています」

女性騎手として地方通算1200勝超えのレジェンド

●宮下瞳騎手プロフィール
氏名:宮下瞳
生年月日:1977年5月31日
血液型:A型
出身:鹿児島県鹿児島市
所属厩舎:竹口勝利厩舎

略歴:
昭和52年5月31日 鹿児島県生まれ
平成7年9月29日 騎手免許取得
平成23年8月16日 騎手免許返納
平成28年8月1日 騎手免許再取得

受賞歴:
NARグランプリ優秀女性騎手賞(11回受賞)
NARグランプリ特別賞(3回受賞)
令和元年 女性のチャレンジ賞 男女共同参画大臣賞 受賞
令和3年 第2回競馬功労者表彰 農林水産大臣賞 受賞
他、愛知県競馬組合表彰、韓国KRA国際女性騎手招待競走 等

戦歴:
初騎乗 1995年10月22日
名古屋1R(オブラディオブラダ)9着

初勝利
1995年10月24日
名古屋6R(ショウワミラクル)初騎乗から7戦目

100勝
2000年3月15日
名古屋8R(ターフシルバーマン)初騎乗から1760戦目

500勝
2007年10月26日
名古屋7R(シャルウィダンサー)初騎乗から6409戦目

1000勝
2021年11月18日
名古屋2R(リアルスピード)初騎乗から1万1439戦目

*現在は地方通算、1万3858戦1216勝(女性騎手日本記録)

主な勝ち鞍:
クリスタルカップ(SP2)2002年名古屋
秋の鞍(SP1)2017年名古屋
梅見月杯(SP1)2018年、2020年名古屋
名港盃(SP2)2019年名古屋
ベイスプリント(SP1)2022年名古屋

© 株式会社競馬のおはなし