再三の延長ピンチも無失点リード 途中出場のソフトバンク海野隆司、真価問われるスタメン濃厚の29日西武戦

延長12回1死満塁、西武・外崎の三ゴロで本封後に一塁へ転送する海野(左)(撮影・西田忠信)

◆ソフトバンク3x―2西武(28日、みずほペイペイドーム)

予想もできない幕切れ。打者が柳田だっただけに打ってのサヨナラ勝ちをファンは待ち望んだだろうが、まさか捕逸で2試合連続劇勝を収めようとは。これも首位を快走するチームの勢いか。

これでチームは早くも貯金が2桁の10に達した。延長11回には1死二、三塁、同12回には1死満塁と立て続けにピンチを迎えたが、最後の2イニングでマスクを任された海野が落ち着いて投手陣をリードし、無失点で勝利に導いた。

「表現が正しいか分かりませんが、今年は試合に出させてもらっている機会が多いので、例えば試合に出てない時にこの場面は自分だったらどうリードするとか、今まで以上に試合に集中できている経験は大きいです」

そう語る海野は小久保政権となった今季、これまでの「甲斐頼り」脱却の方針のもと、1カード3連戦時は必ず先発マスクを任されている。先発投手も大津とスチュワートに限定され、ここまで6度の先発機会を得るが、3勝の大津に対してスチュワートは今季未勝利と結果を残せてない。

それだけに助っ人右腕が先発する29日の西武戦は、こちらも先発出場濃厚な海野にとって真価が問われそうな一戦となる。「打線との兼ね合いもあるけど、早く勝ちを付けてあげたい」。女房役として偽らざる思いとともに、首脳陣のさらなる信頼も勝ち取りに行く。(石田泰隆)

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