【香港】本土からの商務訪問、滞在期限14日に延長[経済]

中国国家移民管理局は28日、中国本土から香港、マカオをビジネス目的で訪問する際のビザ(査証)に相当する「商務簽注」について、滞在期限を現行の7日間から14日間に延長すると発表した。本土と香港、マカオ間の往来の利便性が高まり、ビジネス交流の促進につながると期待できる。

本土籍の人が香港、マカオを訪問する際には通常、パスポートに相当する「往来港澳通行証」と、ビザに相当する「簽注」を本土の出入境管理部門で取得する。簽注には「親族訪問(T)」「商務(S)」「団体旅行(L)」「個人旅行(G)」などさまざまな種類がある。

簽注の申請は通常、申請者の戸籍地または居住地で行う規定だが、今後は全国の任意の出入境管理部門で商務簽注を申請できるようにすることも明らかにした。香港政府は同日、「本土ビジネスパーソンが香港でビジネス活動を行う上での利便性が大幅に向上する」として歓迎の声明を出した。

■高度人材ビザ、対象を拡大

国家移民管理局はまた、高度人材の香港、マカオ訪問に対して発給する「人材(R)」簽注について、対象を北京、上海の両市にも拡大するとした。人材簽注はこれまで、香港、マカオと一大経済圏「粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)」を形成する広東省の珠江デルタ9市の人材しか取得できなかった。

人材簽注は昨年2月から試験的に導入された新しい簽注のカテゴリーで、本土の「傑出人材」や科学研究人材、文教人材、衛生保健人材、法律人材などに該当することが申請の条件。1~5年の有効期間内は何度でも香港またはマカオを訪問でき、1回の訪問につき最長30日の滞在が認められる。香港政府によると、4月中旬までに延べ1万8,000人超が人材簽注で香港を訪れている。

このほか、展示会への参加や医療機関の受診、芸能活動を目的に本土からマカオを訪問する人に対し、有効期間1年でマルチの「その他」簽注を発給することなども発表した。いずれの措置も5月6日から実施する。

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