那須烏山・旧興野小跡地の交流拠点 高校生の中村さん姉妹 定期的催しで活動浸透中

イベントで輪投げなどのブースを運営する由梛さん(左)と俐亜さん

 【那須烏山】田野倉のアヤラ産業(中村恵之(なかむらよしのぶ)社長)が旧興野小跡地に整備する工場兼地域交流拠点「アヤラ・キョウノ・ヴィレッジ(AKV)」の活用に中村社長の長女で矢板東高3年由梛(ゆな)さん(17)と次女で同1年俐亜(りあ)さん(15)が取り組んでいる。姉妹は2022年12月にイベント会社を立ち上げ、AKVで定期的にイベントを開催するなどし、姉妹の活動は市内で浸透しつつある。今後は市外からの誘客促進のため、外部団体との連携構築を進める考えだ。

 アヤラ産業は事業拡大のため19年4月、同跡地を市から購入。工場新設だけでなく、校庭の一部を人工芝張りの広場とするなど、地域住民の交流の場となるように整備している。

 同社がAKVの整備に取りかかった時期、姉妹は飲食店や中高生の集える場が少ない市内の状況を憂いていた。「若い力で地域を盛り上げよう」と、由梛さんが社長、俐亜さんが副社長を務める「Grow(グロウ)」を起こした。

 起業後、AKVを会場とし、デザートをメインとした予約制のビュッフェや、マルシェなどを定期的に開催。昨年末のマルシェでは約千人が来場した。由梛さんは「イベントのたびにリピーターがどんどん増えている。起業した成果は想像以上」と手応えを口にする。

 今月中旬には、早産などで小さく産まれた子の保護者でつくる県内のサークルがAKVでマルシェを開催。グロウは後援企業として関わり、射的や輪投げのブースを出展し、来場した子どもたちを喜ばせた。同サークルによると、県内外から約1200人が来場したという。由梛さんは「市外の人にも那須烏山に注目してもらうため、AKVでイベントを行ってくれる方々を増やしていきたい」と意気込んでいる。

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