「表年」のタケノコ800キロ完売 内川でまつり、旬の味覚求め2100人が列

タケノコを品定めする来場者=金沢市内川公民館

  ●価格、3~5割安く

 タケノコ産地として知られる金沢市内川地区で28日、毎年恒例の内川たけのこまつりが行われ、約2100人が旬の味覚を求めて列をつくった。今年は収穫量の多い「表年」に当たることから、「裏年」の昨年に比べて3倍以上となる800キロが店頭に並んだ。価格も1本当たり3~5割安く、昼過ぎには全て完売。生産者は「コロナ禍前のにぎわいが戻った」と盛況を喜んだ。

  ●初めて4月に前倒し

 まつりは36回目で、例年は大型連休後半の5月4日に開催してきたが、今年は生育が早かったことから初めて4月に前倒しした。

 会場の内川公民館では、地元農家が早朝に収穫したタケノコが1本500~1500円で売り出され、たけのこご飯や天ぷら、煮物も用意された。開始1時間前の午前9時から行列ができ始め、約2時間半で売り切れた。

 たけのこご飯や天ぷらを購入した入江2丁目の会社員中道圭さん(53)は「今年は豊作と聞いて5年ぶりに足を運んだ。家に帰って食べるのが楽しみだ」と待ちきれない様子で話した。

 内川たけのこまつりは2020、21年と新型コロナの影響で中止され、22年に規模を縮小して再開した。昨年は4年ぶりの通常開催となったが、記録的不作で販売量は約240キロにとどまった。

 まつり実行委で広報を担当する前波豊さん(59)は「多くの人に内川の特産品の魅了を知ってもらえた」と手応えを語った。会場では、内川小中の児童生徒が客の呼び込みや来場者数の集計を手伝った。地元出身のスキーヤー小山敬之選手も来場した。

© 株式会社北國新聞社