勝興寺で癒やしの音色 輪島で被災、仲谷さん親子 2日にコンサート

勝興寺でのコンサートに向けて練習に励む仲谷響子さん(左)と美千代さん=南砺市内

 能登半島地震復興応援チャリティーコンサート(富山新聞社特別協力)は5月2日、高岡市の国宝勝興寺で開かれる。輪島市の自宅が全壊し、南砺市で避難生活を続けるメゾソプラノ歌手仲谷響子さん(40)と、米国出身ピアニスト、ジェイコブ・コーラーさんが共演し、住民や音楽ファンに癒やしの音色を届ける。

 使用されるピアノは、仲谷さんの母美千代さん(70)が所有する1899(明治32)年製造の名器「スタインウェイ」。輪島市の自宅で40年以上開くピアノ教室で弾き続け、地震の被害を免れた「奇跡のピアノ」だ。

 27日は南砺市内の避難先で、響子さんがコンサート本番に向け、美千代さんの伴奏で練習に励んだ。

 当日は、コーラーさんとともにモーツァルトの「フィガロの結婚」などを披露する。美千代さんの伴奏で竹内まりやさんの人気曲「いのちの歌」も歌う。響子さんは現在、平日は輪島の小学校で音楽を教え、週末に公演活動を行っており「支えてくれる人に感謝を伝えたい」と話した。

 北陸三県で開催されるガルガンチュア音楽祭(北國新聞社特別協力)の実行委員会と高岡市民文化振興事業団が主催する。午後2時に開演し、入場には拝観料と別に千円以上の募金協力を求める。

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