御影道中瑞泉寺版、テスト巡回 来秋に向けて南砺・大福寺 大勢の住民出迎え「蓮如さまのお通り」

大福寺周辺で行われた御影道中=南砺市天池

 来年9月、浄土真宗中興の祖である蓮如上人が井波別院瑞泉寺(南砺市井波)を訪れた「井波下向(げこう)」の足跡をたどる御影(ごえい)道中「瑞泉寺版」が行われるのを前に、28日、同市大窪の真宗大谷派大福寺周辺で「テスト巡回」が実施された。

 御影道中は蓮如上人の絵像「御影」を年に一度、東本願寺(京都)から真宗大谷派吉崎別院(あわら市)に徒歩で運ぶ行事。来年は蓮如上人が瑞泉寺を最後に訪れた1475(文明7)年の「井波下向」から550年の節目に当たるため、大福寺の太田浩史住職(68)が御影道中の瑞泉寺版を計画している。

 28日には来年の本番に向け、大福寺周辺の12.3キロを巡回した。京都―あわら市の御影道中に使われる輿車に大福寺の御影を載せ、太田住職が「蓮如さまのお通り」と大声で案内しながら回った。一時休憩所となった公民館10カ所では大勢の住民が出迎え、手を合わせて遺徳をしのんだ。

 この日は大福寺の本堂屋根の落慶法要も営まれ、稚児行列が巡回後半に加わった。東本願寺企画調整局の松田亜世参事は「思い切った企画で、吉崎別院の御影道中のアピールになる」と話した。太田住職は「来年の瑞泉寺の御影道中に向け、関係者と話を進めたい」と意欲を示した。

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