山道にクマ、女性引っかかれる 比咩神社近く、今年初の人身被害

 28日午後2時10分ごろ、奥獅子吼(おくししく)山に向かう白山市白山町の登山道で、金沢市の50代女性がクマに襲われた。女性は出合い頭に顔を引っかかれ、ドクターヘリで同市の石川県立中央病院に運ばれた。軽傷とみられ、命に別条はない。白山市と猟友会は周辺を巡回したが、クマは見つかっていない。今年に入ってから県内でクマの人身被害は初めて。

 クマの餌となるブナの実の凶作予想に伴い、被害が増える恐れがあるとして、県が26日に「出没警戒準備情報」を発令したばかりだった。

 白山市によると、女性は1人で山登りをしていた。襲われた後、路上にうずくまって身を守っているところを、通りがかった登山者グループが見つけ、119番通報した。女性は当時の状況について「気が動転していてよく覚えていない」と話しているという。

 クマは成獣とみられるが、大きさなどは不明。被害の確認を受け、市職員が登山道を車でパトロールし、登山者5人を避難させた。

 現場は白山比咩神社から東に約1.5キロで、白山市と金沢市を結ぶ林道犀鶴線の近く。白山市などは引き続き周辺を警戒し、登山の際は必ず2人以上で行動し、クマよけの鈴やラジオを携帯するよう注意を呼び掛けている。

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