取材ノート リサーチ力を磨きたい

 ■先日、元銀行員の社長に取材する機会があった。取材後の雑談で、行員時代に出会った優秀な人物が話題となった。社長は「彼は他行の人間だったが、初対面でいきなり『君は○○〇大学出身のようで。実は私の子どもも同じ大学に通っていてね』と話しかけられた」と当時を振り返った。
 このエピソードのポイントは初対面にもかかわらず、相手の出身大学を把握して話のネタに持ってきた点にある。リサーチ力の高さがうかがえる。社長は「その一言だけで、この人は仕事ができると思わされた」と話した。
 リサーチ力は記者にも必要な能力だ。例えば、取材時に「新卒採用を強化されているようですが、手応えはいかがですか」と質問する。この聞き方では質問が悪く、曖昧な回答しか返ってこない。
 リサーチ力があれば、「そういえば最近、奨学金返済を肩代わりする制度を導入されたようですが」と質問を補足できる。具体的な回答を引き出せるだろう。より良い記事を書くためにもリサーチ力を磨きたい。
 ■野田 哲示(のだ・てつじ)26歳、一宮市出身。今年から西濃支局勤務。先日、西濃エリアの大手企業らが支援する女子ソフトボールチーム「大垣ミナモ」の開幕戦に足を運んだ。黒星を喫したが、翌日の2戦目は勝利。昨季は開幕後10連敗と聞いていたが、今年は一味違いそうだ。

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