井上尚弥“撃破”を狙うネリに同胞ナバレッテがエール「東京ドームのような舞台は、パンテラにはむしろプラスになる」

これまで日本ボクシング界に数々の金字塔を打ち立ててきた世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)。5月6日に東京ドームで、元世界2階級制覇王者でWBC同級1位ルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦に臨む。ゴングまで残り7日となった同試合に向けて、相手の同胞ボクサーも熱い視線を注いでいる。

今回、このビッグマッチについて分析を行なったのは、世界3階級制覇王者で現WBO世界スーパーフェザー級王者のエマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)だ。現地4月27日、母国のスポーツ専門メディア『ESTO』の取材に対して、“モンスター撃破の鍵”は「ネリのメンタル面にある」と話したという。

東京ドームでのボクシング興行は、1990年2月に行なわれた世界ヘビー級王座統一戦のマイク・タイソン対ジェームス・ダグラス戦(ともに米国)以来、34年ぶりだ。日本人がメインイベントを務めるのは、史上初めて。日本ボクシング過去最大級のイベントとあり、世界中のファンから大きな注目が集まることは間違いないだろう。
ただ、こうした点を踏まえたナバレッテは、「東京ドームのような舞台は、パンテラ(スペイン語でヒョウ、ネリの愛称)にとってマイナスどころか、むしろプラスになる」と言及。「彼(ネリ)はそれを活かし、自身をアピールする完璧なステージに立つ。これがイノウエに悪影響を及ぼすかもしれない」と語っていた。

米ボクシング専門メディア『Boxing Scene』のインタビュー記事では、34年前の東京ドームでタイソンが敗れたことを挙げ、「タイソンが東京ドームで無敗記録を失ったのなら、イノウエにも同じことが起こる」と自信をにじませていたネリ。下馬評では井上優位の見方が強いが、はたしてどんなファイトが繰り広げられるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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