中国の競泳23選手がドーピング陽性で五輪出場 露フィギュア重鎮は怒り「ロシア人だけに適用?」

ロシアフィギュア重鎮のタチアナ・タラソワ氏

中国の競泳選手23人が2021年東京五輪前のドーピング検査で陽性となりながら出場を許可された問題を受け、ロシアフィギュアスケート界の重鎮が不満をのぞかせた。

選手23人からは狭心症の薬として使用される禁止物質トリメタジジンの陽性反応が出たが、世界反ドーピング機構(WADA)は処分を科さなかった。中国反ドーピング機構(CHINADA)の「東京五輪前に大会出場のために宿泊したホテルの厨房に、薬物が紛れ込んだ」との主張を受け入れたという。

今回の件は多くのロシアメディアが大々的に報道。フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(ロシア)が22年北京五輪前のロシア選手権で採取された検体から禁止薬物のトリメタジジンが検出され、4年間の資格停止処分が下ったことを引き合いに、疑問の声が上がっている。

ロシアメディア「sports・ru」は、タチアナ・タラソワ氏の見解を紹介。国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長が「一部の人が不満を抱いているからといって、選手を出場停止にすることはできない」と語ったことに対して「ロシア人だけに適用されるのですか? 他の誰にも適用されないのか? それともルールは誰に対しても同じなのか? この幹部は何を言っているんだ?」と不満をぶちまけた。

中国とロシアの異なる対応に、怒りは頂点に達しているようだ。

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