子どもを私立中学に入れたいです。受験まであと10年ありますが、いくら貯めれば可能ですか?

幼稚園から中学校卒業までにかかる学費はどのくらい?

文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査の結果について」では、1年間あたりに保護者が支出した子ども1人当たりの学習費総額を図表1のように伝えています。

【図表1】

※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」より筆者作成

幼稚園から中学校卒業までにかかる学費がどのくらいになるのかは、幼稚園から小学校は私立と公立のどちらに通うか、幼稚園を3年保育にするか2年保育によって変わります。

私立の中学校3年間でかかる費用は430万円程度(143万6353円×3年=430万9059円)です。そこに3年保育の私立幼稚園と私立小学校に通った場合、3年保育の公立幼稚園と公立小学校に通った場合、3年保育の私立幼稚園と公立小学校に通った場合の学習費総額は、以下のとおりです。

__●3年保育の私立幼稚園と私立小学校:92万6727円(30万8909円×3)+1000万1694円(166万6949円×6)=1092万8421円
●3年保育の公立幼稚園と公立小学校:49万5378円(16万5126円×3)+211万5396円(35万2566円×6)=261万774円
●3年保育の私立幼稚園と公立小学校:92万6727円(30万8909円×3)+211万5396円(35万2566円×6)=304万2123円__

例えば、私立幼稚園、私立小学校、私立中学に通うとなると、1523万7480円かかる計算です。ただし、これらはあくまでも学習費総額となるため、その他にもお友達と遊びに出掛けたときにかかるお金などを考慮したら、1523万7480円では決して余裕があるとはいえないでしょう。

中学校だけでなく高校や大学の学費もかかる

私立中学だけでなく、卒業後の高校や大学の学費もかかることを想定しておきましょう。同調査で伝える、高校の学習費総額は図表2のとおりです。

【図表2】

※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」より筆者作成

国公私立大学の入学金と授業料は図表3のとおりです。

【図表3】

※文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移 」より筆者作成

子どもの教育資金を貯める効率よく貯める方法

子どもを私立中学に通わせるための学費を効率よく貯める方法は以下のとおりです。

__●学資保険
●積立定期預金
●つみたて投資枠__

方法別に解説します。

学資保険

学資保険とは、子どもの教育資金に備えられる貯蓄型保険です。契約時に決めた保険料を払い込み、子どもが進学するタイミングなどで学資金を受け取れます。

積立定期預金

児童手当を使わずに、そのまま積立定期預金などで貯めておくのも方法の一つです。
児童手当は中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育する人を対象にした給付金で、児童1人当たりの支給額は以下のとおりです。

__●3歳未満:一律1万5000円
●3歳以上~小学校修了前:1万円 (第3子以降:1万5000円)
●中学生:一律1万円__

つみたて投資枠

つみたて投資枠とは、投資信託から得た分配金や譲渡益が非課税(年間投資枠:120万円、非課税保有限度額:1800万円)になる制度です。非課税保有期間は無期限なので、毎月100円という少額から始められて、長期の積み立てや子どもの教育資金の形成などに活用できるでしょう。

私立中学へ進学するために早いうちから学費を貯めておこう

子どもを私立中学に通わせるためには、私立中学3年間の費用だけで430万円程度かかります。さらに幼稚園や小学校も私立に通わせるとなると、最低でも1500万円程度のお金を貯める必要があります。

また、私立中学を卒業した後に、私立高校や私立大学へ進学することも考えたら、思い立ったタイミングですぐに貯金を始めたほうがよいでしょう。早いうちから学費を貯めて備えておけば、子どもが進学するタイミングで「学費が足りない」となることを避けられます。

出典

文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果について

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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