生田絵梨花「本当は器用じゃない」女優、音楽、MCで活躍も「めちゃめちゃ練習に時間がかかります」

生田絵梨花さんはグループ活動をしながら数多くのミュージカル作品に出演。近年は俳優の活動に加え、音楽番組の司会もおこなう。24年の4月にはソロデビューを果たすなど、活躍の場はさらに広がっている。多岐にわたる活動の陰にある「CHANGE」を聞いてみた。【第2回/全3回】

めちゃめちゃ練習しています

ミュージカル女優・歌手としても活動し、ドラマでは非凡な演技を見せたと思えば、歌番組では司会を務めてと、幅広く活躍をしている生田絵梨花さん(27)。しかも、どれを見ても無理をしている様子はみじんもなく、きわめて自然体。その姿からは優雅さすら感じる。

生田「自然体でいられたら、それが一番、いいことだとは思います。でも本当は器用じゃないので、自分でコントロールできていないんですよ。コントロールできるようになれば、もうちょっとスイスイ進めるんだろうなとは思うんですけど、それができないんですよね」

これだけいろいろできるということは、十分に器用だと思いますが。

生田「全然、器用じゃないですよ。たとえば音楽で弾き語りするにしても、めちゃめちゃ練習に時間がかかりますし、できるようになるまで要領がすごく悪かったり。

自分的にうまくいかなかったなってときも、めちゃめちゃ引きずったりとか。はいはいって、楽観的になって切り替えることができないから、ズーンって落ちたまんまいっちゃうこととか、すごくあるんですよ」

苦しんでいないフリは得意?

優雅に見える生田さんだが、実は見えないところで苦闘を重ねているようだ。

生田「たぶん、アイドル活動を10年間やっていたので、内面では苦しんでいても、人にはそう見えないようにできているってのは、あるかもしれませんね。苦しんでいないフリは、うまくなっているんだと思います。いつもそばにいてくれるマネージャーさんと話していても、“テレビ画面やステージでいくちゃんを見ている人が、こういうふうになっているって、思ってはいないだろうね”とか、よく話しますし」

湖を優雅に泳ぐ白鳥は、水の下では必死に足で水をかいている。そんな言葉を思い出してしまうが……。

生田「いやいやいや、だからといって、別に心配されたいわけではないんですよ。それはもう、そういう自分だっていうだけですね。

音楽だけじゃなくて、演技についてもすっごい考えちゃうので、やっている最中はすごい苦しいんですけど、やっぱりその努力が報われる瞬間っていうのがあるので。いつもやっていてよかったなとか、また頑張ろうって思えたり。それを繰り返しながら、ちょっとずつ進んでいるって感じですね」

自分が足を止めない理由

すごく苦しいという本音。それでも生田さんは、迷うことなく進み続ける。

生田「やったぶんだけ、全部、結果として出るとか、考えたぶんだけ演技で伝えられるとかだったらいいんですけど。自分の場合、うまく出力できなかったり、頭の中でいろいろ考えたけど答えに結びつかなかったり、そういうことはけっこうあるんですよ。

そのへんをもうちょっと、ゆるめながら、余白を作りながらやっていけたらもっといいんだろうなっていうのは、常々思っていますね」

でもなかなかできない?

生田「なかなかできない。でもそれがパッてリンクする瞬間っていうのがあるから、それが自分がずっと足を止めない理由でもあったりするのかなとは思っていますね」

その努力を称賛したところ、「努力って言ったら、響きが良すぎます。超ダラダラしたりとか、自分を甘やかしていたりもするんで」と、生田さんは謙遜していた。

とはいえ、かなりの努力をせずに現在の活躍はありえない。生田さんはこれからも、苦しみながら、ちょっとずつ前に進み続けていくのだろう。

(ヘアメイク:近藤あかね、スタイリスト:椎名倉平)

生田絵梨花(いくたえりか)
1997年ドイツ・デュッセルドルフ生まれ。乃木坂46の中心メンバーとして活動して21年末に卒業。グループ在籍時から『レ・ミゼラブル』などのミュージカルで活躍し、23年公開のディズニー100周年記念作品『ウィッシュ』で主人公アーシャの日本版声優を務めた。24年4月には作詞作曲を務めた楽曲『Laundry』などを収録した1stEP『capriccioso』を発売。近年はテレビドラマへの出演も増え、4月スタートのドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系)では脳外科秘書の西島麻衣を演じる。

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