意味深すぎる!? 『名探偵コナン』に“大人の世界”が…つい深読みしてしまった「ドキドキシーン」

『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(C)2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

現在公開中の劇場版シリーズ27作目となる最新作映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』が、公開10日間で興行収入65億円を突破するなど、大ヒットを記録している。

推理・探偵ものなので殺人シーンはあるものの、グロテスクすぎる描写もなく、子どもでも安心な国民的作品である『名探偵コナン』。

だが、その一方で、時にはとてもシリアスで、「子ども向け作品なのにこんな内容を放送しちゃって大丈夫?」と感じてしまうシーンも存在する。そしてつい深読みをして、その大人っぽさにドキドキしてしまうのも、同作の魅力のひとつかもしれない。今回は、そんな『名探偵コナン』の中に登場した、「大人っぽいシーン」に注目したい。

■衝撃的だった「ないのよ…アレが…」

まずは、アニメ748話「本庁の刑事恋物語(告白)」から。このなかで、2人きりの車内で、佐藤美和子刑事が高木渉刑事に「ないのよ…アレが…」とおずおずと告げるシーンがあった。その話を聞いて高木刑事は佐藤刑事が妊娠したのではないかと顔を赤くし、これからの2人の明るい未来を妄想する。

実は佐藤刑事が「ないのよ」と言ったのは、捜査一課の赤いバッジのことだった。しかし、この佐藤刑事の表情を見て、本当に佐藤刑事が妊娠したと思ってしまった人も多そうだ。

また別の回では、佐藤刑事は少年探偵団と話しているときに、光彦が「(人質になっている高木刑事が)もし寝返りを打ったら……」と言ったのに対し、「大丈夫よ、高木くんわりと寝相いいし」と返答。光彦と歩美から「一緒に寝てるんですか?」「仲良しさんだね」と純粋な返しをされ、自分の“失言”に気づき、顔を赤くしながら目が点になってしまったこともある。

急いで「張り込み中に仮眠をとることもあるから」とごまかしたものの、その表情から暗に夜を共にしているということがバレてしまい、2人がプライベートで仲良しであることが視聴者にも知られることとなった。

もちろんこの2人は付き合っており、2022年の映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』では物語の中心にもなった。『コナン』のメインストーリーとともに進んでいく2人の関係性からは、これからも目が離せない。

■暗闇で平次と和葉の意味深な会話

続いては、西の高校生探偵・服部平次と遠山和葉の幼なじみコンビ。アニメ323話の「服部平次絶体絶命!」での“暗闇でのドキドキシーン”だ。

この回では、のっけから平次と和葉の2人が何をやっているのか分からないようなシルエットで映し出される。

平次の「こ、ここか、和葉」という声に対して、和葉は息を荒げながら「そこちゃうて平次…もっと左や…」と応える。和葉の肩はあらわになっており、痛がる和葉の声が聞こえたりもして、ついつい“想像”してしまう場面だった。

実は2人は犯人に拉致されていて、このシーンでは安全ピンを使ってなんとか手錠を開けようとしていただけ。ちなみに和葉は裸ではなく、チューブトップタイプの服をちゃんと着用していた。だが、年頃の男女が暗闇にいることで、ドキドキしてしまった人も多いのではないだろうか。

ちなみに38巻に収録されている漫画のほうでは、冒頭のシーンがもっと意味深に見えるようになっている。これはさすがに作者も積極的に読者の誤解を誘ったようだ。

■大人の会話の「マティーニでも作らない?」

最後は、黒の組織のメンバー間で交わされた大人の会話。組織の中核を担う存在である美女のベルモットは、コミックス29巻『見えない恐怖』にて、ジンの肩に手を置き、「どう? 今夜…久し振りにマティーニでも作らない?」と誘いかけている。

「マティーニ」とは、蒸留酒の「ジン」と果実酒の「ベルモット」を混ぜたカクテルだが、「今夜」となるとつい妄想が進んでしまう。また、「久し振りに」という発言から、これが今回が初めてではないこともわかり、さらに意味深となる。

ちなみにアニメでは230話がこの回に該当するが、このセリフは存在しない。代わりにベルモットが「例の逃げ出した子猫ちゃん、見つかったの?」と灰原哀について聞いている。さすがに“匂わせ”がストレートすぎたのだろうか。

実際には、どれも「大人っぽいシーン」が描写されたわけではないのでご安心を。こんな遊び心が、『名探偵コナン』が大人にも人気の理由なのかもしれない。

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