被疑者の約6割が国内の投資家を詐称!急増中するSNS型投資詐欺に警鐘…その手口とは

最近、下記のようなニュースを毎日見かけませんか?

・SNSで知り合った女性に誘われ1.8億円被害 暗号資産投資詐欺(4月17日 朝日新聞)
・“SNS投資”詐欺 佐賀市60代女性が約1200万円だまし取られる(4月17日 サガテレビ)
・著名人かたる投資話で1億4000万円だましとられる 都内の70代男性 SNSで勧誘メッセージ(4月15日 東京新聞)

SNS型投資詐欺です。

とうとう4月24日には、現金合わせて7億円をだまし取られる被害が報道されました。SNS型投資詐欺では過去最多の被害額となりました。


被害件数は1年で4倍以上に

今年3月に警察庁は、令和5年中のSNS型投資・ロマンス詐欺の被害発生状況について公表しました。令和5年1月から12月末までに都道府県警察が認知したSNS型投資詐欺は、認知件数が2271件で被害額が約278億円、ロマンス詐欺が1575件で被害額が約177億円でした。

SNS型投資詐欺とは、フェイスブックやインスタグラム、X(旧ツイッター)といったSNSを通じて指定先に送金させ、通話や対面がないまま完結するのが特徴です。ロマンス詐欺とは、SNSをきっかけに恋愛感情を抱かせた上で投資などを持ちかけて金銭をだまし取る行為です。

警察庁の資料を参考にすると、SNS投資型の件数及び被害金額が月を追うごとに増加している事がわかります。令話5年1月の被害件数85に対し、12月は369で、被害総額も1月は8.6億円に対し、12月は53億円と急増しています。

被疑者の約6割が国内の投資家を詐称

SNS型投資詐欺の被害者の性別は、男性1292人(56.9%)女性979人(43.1%)と若干男性の方が多い状況です。年代別では男性が50歳代〜60歳代の被害が多いのに対し、女性は40歳代~50歳代が最も多くなっています。被害総額は500万以下の被害が最も多いですが、1億円以上の被害も26件発生しています。

被疑者の約6割は、日本国内の投資家と名乗り詐欺を敢行しています。被害にあった方の当初の接触ツールの上位は、男性がフェイスブック、LINE、Instagramです。対して女性はInstagram、LINE、マッチングアプリと続きます。しかし、被害時(最終の連絡ツール)は88.6%がLINEとなっています。なお、ロマンス詐欺の被害時の連絡ツールもLINEが88.5%です。ロマンス詐欺は、女性の被害者がやや多く、また、女性の被害額がやや高額化する傾向となっています。

著名人も対策を呼びかけ

こうした事を背景に、実業家の前澤友作氏と堀江貴文氏が自民党の会合に出席し、SNS上で著名人になりすまし、投資などを勧誘する詐欺広告への対策を求めました。インターネット上で著名人の顔写真などを無断で使って本人になりすまし、投資を呼びかけたり、商品購入を勧めたりする詐欺広告が増えているためです。

前述した、過去最多の7億円の被害となった詐欺も、経済アナリストの森永卓郎さんになりすました人物から無料通信アプリ「LINE」で架空の投資話を持ちかけられだまし取られたものでした。

岸田首相は、新NISA制度などを活用した国民の安定的な資産形成を後押しするため、投資詐欺の犯罪者を確実に検挙する対策プランを6月をめどに策定すると表明しました。しかし、Instagramやフェイスブックを運営する米IT大手メタは、自民党が対策を聞き取りましたが、ほぼ無回答の姿勢でした。私のXのアカウントも偽物が多数存在します。運営会社に再三連絡はしますが、全く対応されません。

おいしい話は断じてない!

今年から非課税枠が拡大した新NISAが始まった事や、1月~3月は空前の株高を演じた事で、被害件数や被害金額は更に増加している可能性が高いです。投資関連サイトへの登録やアプリのインストールに応じないことやLINEのグループに自動追加されない設定に変更するなど自衛手段を講じる事が必要です。

「元本保証」や「毎月8~10%の配当」、「絶対儲かる」等の殺し文句で勧誘をして来るものと思われます。そのようなおいしい話は断じてありません。投資は、金融商品の価値が投資資金より下がる事で、元本割れする可能性があるのが大前提です。

【投資はそんな甘いものではありません】

肝に命じて頂きたいと思います。

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