「魔法が無くてもシンデレラは魅力的」19歳のシンデレラを制して白いベルトを守った安納サオリが思いを独白

27日、神奈川県・横浜BUNTAIにてスターダム『家出レスラー presents ALL STAR GRAND QUEENDOM 2024』が開催。安納サオリが羽南を制してワンダー・オブ・スターダム王座の防衛に成功した。

安納はアクトレスガールズ一期生として2015年にデビュー。同団体のシングル王座であるAWG王座の初代王者に君臨した他、尾崎魔弓率いる正危軍へ加入するなど女子プロレス界で強い存在感を発揮。その後フリーとなってからは数多の女子団体で活躍し、アイスリボンの至宝たるICE×∞王座を戴冠するなど活躍を続けた。
そんな安納は昨年4月にKAIRI(カイリ・セイン)に導かれる形でスターダムのリングに登場。6人タッグ王座、タッグ王座を戴冠するなど実績を残していき、昨年12月にはついにシングル王座であるワンダー・オブ・スターダム王座(白いベルト)を戴冠。今年3月にはスターダムと専属契約を結んだことを発表し、名実ともにスターダムの中核を担う選手になっている。

この日、安納の白いベルトに挑戦したのは羽南。
羽南は2017年4月の中学校入学直後にスターダムでデビュー。中学校&高校への通学とプロレスラー活動を両立させつつフューチャー・オブ・スターダム王座(若手王座)の最多防衛記録を更新するなどの活躍を見せ、2023年に高校を卒業して専業レスラーに。同年9月にはNEW BLOODタッグ王座を戴冠。さらに今年のシンデレラ・トーナメント優勝を果たすなど、スターダムの次期エースとしての期待を集めている。

羽南は、シンデレラ・トーナメント優勝後に安納の持つ白いベルトへ挑戦を表明。安納も「優勝しなくても挑戦表明選ばれなくても、私が逆指名したいと思った選手」と羽南を高く評価しており、互いを認め合う2人による頂上決戦が行われた。

試合は開始直後から感情むき出しのぶつかり合いに。一方が打撃で攻めればもう一方は打撃で、関節技で攻めれば関節技で返していき、互いに得意とするブロックバスターで投げ合って意地をぶつけ合うなど白熱した試合が展開。
安納が極楽固めや変形STSで絞め上げてスタミナを奪い、ロコモーション式ジャーマン・スープレックス・ホールドを3連発から天に投げキッスを捧げてからタンタンドル。これをカウント2で返された安納は驚愕の表情を浮かべる。
その隙を見逃さず、羽南がバックドロップ3連発からブロックバスター・ホールド、バックドロップ・ホールドと猛連撃。さらにロコモーション式バックドロップ・ホールドを放っていくが、2発目を狙ったところで安納がスペシャル・ポテリングで切り返して3カウントを奪った。

疲労困憊の様子の安納であったが、「羽南、お前さあ、なんなん?すごすぎるやろ。こんな魅力的な19歳、羨ましいわ。未来しか無い。でもさ、こんな33歳も結構魅力的ちゃう?(笑)」と爽やかに笑いながら羽南を称賛。
羽南は「悔しいけど!魅力的な33歳!33歳の魅力的な大人!白いベルトの壁は全然全然闘ったけど、また挑戦させてください。今日はありがとうございました」と深々と頭を下げ、大人の女への階段をまた一歩上がった。

その後、なつぽい、壮麗亜美の2人がリングに上って安納への挑戦を宣言。2人が言い争いを始めると、安納は「なつみ、壮麗。そこ試合決定で」とBreakingDownさながらの大岡裁きで次期挑戦者決定戦を命じた。

バックステージに戻った安納は、「私が19歳の頃はさ、自分のこと、自分の良さとか全然わからなくてさ。着飾ってばっかりいたけど、羽南は自分がある。羽南はシンデレラかもしれへんけど、魔法がなくても十分すごいし、魅力的やわ。だってここまで安納サオリを追い込んだんだからさ」と独白するかのようにポツリポツリと語る。
そして「嬉しいな。どんどんこのワンダーのベルトに挑戦してくる選手が現れて。私、もう止まらん。進む。このベルトとともに歩んでいくって、大きくなるって、何度も言ってるから。これから注目してとは言わん。でも見逃したら後悔させてやる」と決意をみなぎらせ、ふらふらと去っていった。

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