【4月29日付編集日記】昭和の日

 ジャズ、鉄道、料理、ヨット、ネコに古地図。タレントのタモリさんは多趣味で知られる。「仕事を遊びにした」と評されるほどで、趣味を生かした番組も多かった

 ▼「仕事の遅刻は百歩譲っても、遊びの遅刻は許せない」。そう言って後輩を諭したというエピソードは、彼の人生観を表していると言っても大げさではあるまい(戸部田誠「タモリ学」イースト・プレス)

 ▼民間のおじさん未来研究所の調査によると、タモリさんは理想のおじさん像で、所ジョージさん、高田純次さんに続く3位。肩の力が抜けていて、遊び心があるところが共通項か

 ▼おじさん全体に対するイメージでは「経験豊富」が最多で、頼れる、優しいなどの評価が目立った。「ダサい」などのマイナス意見ももちろんあるものの、生き生きと活動するおじさんには、多くの人が好印象を抱いていることが分かる。当人たちが思っているほどには、嫌われていないようだ

 ▼人生100年時代。おじさん、おばさんと言われるようになった、昭和後半生まれの世代も、まだまだ人生半ば。例えば、新たな趣味を始めるのも「遅刻」ではない。豊富な経験を生かし、これからどう遊ぼうか。それを見つけたい昭和の日。

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