日田市の旧大鶴駅舎で展覧会 漫画家の辻村さんが地域の風景など描いた11点【大分県】

旧駅舎やホームなどを描いた漫画家辻村信也さん=日田市大肥の旧大鶴駅舎
会場となっている旧大鶴駅舎

 【日田】JR日田彦山線の元停車駅で、バス高速輸送システム(BRT)「ひこぼしライン」開業に伴い使われなくなった旧大鶴駅舎(日田市大肥)を会場にした展覧会「大鶴十一景展」が開かれている。移住者の漫画家辻村信也さん(69)が大鶴地区の風景などを描いた11点が並ぶ。5月15日まで。

 大鶴駅はひこぼしラインでも停留所となったが、旧駅から離れた場所に移設された。

 展覧会には旧大鶴駅のホームや駅舎、相撲の神様「日田どん」の墓などのほか、2017年7月の豪雨で氾濫した大肥川の桜並木を題材にした作品も。

 辻村さんは長崎市出身でペンネームは「ツージーQ」。新型コロナウイルス禍の影響で勤務先のホテルが廃業した後、出版社に漫画を持ち込み、21年から連載漫画家になった。パンクロック界を駆け抜けた男の青春を描いた作品は単行本になっている。ベーシストとして00年に野外音楽イベント「フジロックフェスティバル」にも出演した異色の経歴を持つ。

 22年に関東から、妻の実家がある日田市大鶴本町に移住した。辻村さんは「大鶴駅を忘れないでほしいという思いを込めた。子どもたちにも駅舎に立ち寄ってもらい、活性化につながれば」。

 展覧会を企画した集落支援員の江田さつきさん(52)は「旧駅舎の活用法を模索している。絵を通じて大鶴を知り、魅力を味わってほしい」と話している。

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