安心の居場所、マップに 山形・不登校児「親の会」作成

県内のフリースクールやフリースペースなど、不登校の児童生徒の居場所をまとめたマップ

 不登校やひきこもりの子を持つ親でつくるNPO法人「クローバーの会@やまがた」(山形市、樋口愛子理事長)が、県内のフリースクールやフリースペース、相談窓口などの情報をまとめたマップを作成した。県内は全国同様に不登校の児童生徒数が増加傾向にある。社会での孤立や親の負担増が懸念される中、自宅や学校以外の居場所を知ってもらおうと独自に調べた。

 マップにはフリースクール11カ所、フリースペース21カ所、学習支援の学び場3カ所、プレーパーク(遊び場)2カ所を記載した。地区名や電話番号、メールアドレス、ホームページなどにアクセスできるQRコードを添えた。

 各地の親の会25カ所も紹介し、行政主体で運営する教育支援センターや相談窓口の情報も入手できる。クローバーの会は2018年から各地で親の会立ち上げを支援しており、活動で培ったネットワークを通じて調べた。

 マップ作成に先立ち昨年度、不登校やその傾向がある小中学生や保護者の状況を把握しようと、山形大の安藤耕己教授に依頼し、保護者を対象にアンケートを行った(回答数115)。「子どもが日中過ごす場所」の設問は90%が「自宅」、「必要としている情報」は73%が「家と学校以外に通える場所や機関の情報」と答えた。「困っていること」は75%が「学習面の不安」と回答し、「経済的困難」「保護者が仕事に行けない」も22%いた。

 樋口理事長は、子どもの不登校に伴う離職などで経済的な悩みを抱える人が多いと指摘し「安心できる居場所や相談先があると知ってほしい」と話す。マップはA4判で、カラー二つ折り。1万部を発行した。公民館や図書館、子ども食堂、学校などに配る。

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