「第12回狂言やっとな会」(大分よからう会、大分合同新聞社主催)が28日、大分市牧緑町の平和市民公園能楽堂で開かれた。和泉流狂言師の深田博治(同市出身)が2012年から開催。深田のほか、野村万作、萬斎、裕基らが出演。狂言や小舞などを披露。約520人が来場し、伝統芸能を楽しんだ。
一番の盛り上がりを見せたのは、落語「大山詣(まい)り」と、原作となった狂言「六人僧」の上演。いずれも、仲間から髪をそられてしまった男が、一泡吹かせようと企てる様子を描いた作品。
「大山詣り」は宇佐市院内町出身のはなし家、桂文治が勢いのあるしゃべりと巧みな演じ分けで笑いを誘った。「六人僧」では深田や萬斎ら6人が出演し、息の合った演技で軽妙な舞台を届けた。
日頃は見ることのできない古典芸能のコラボレーションに、会場からは大きな拍手が送られた。演目の後、深田と文治による対談があった。
大分市下戸次の藤田泰子さん(82)は「狂言の動きが洗練されていたこともあって楽しめた。同じ笑いを追求する落語との共演は、面白いアイデアだと思った」と話していた。