数少ない好機をモノにした鳥栖マルセロ・ヒアンが今季5点目。新ストライカーは下位に沈むチームを救えるか

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4月28日、サガン鳥栖はJ1第10節で柏レイソルと敵地で対戦し、1-1で引き分けた。

チームを勢いづける先制点は、今季加入の新ストライカー、マルセロ・ヒアンの一撃だった。14分、河原創の正確なプレースキックにヘッドで合わせる。放たれたボールは弧を描くように相手GKの頭上を通過し、ゴールに吸い込まれた。

ただ、先制して以降、鳥栖は守勢に回る展開になり、40分に失点。終わってみれば、シュート数は柏の15本に対して鳥栖は3本と、内容で圧倒されたゲームだったと言える。

M・ヒアンは数少ない決定機を確実に決めきった得点シーンをこう振り返った。

「(先制点は)トレーニングで準備してきた形です。距離もあったので、強いシュートではなく、柔らかいシュートを選択しました。リーグ戦で2試合連続ゴールできたことを嬉しく思いますし、引き続き努力を続けていきたいです」

【PHOTO】マルセロ・ヒアンがヘディングで今季5点目!
昨季に当時J1の横浜FCで、来日前を含めて自己最多のシーズン3点を挙げたM・ヒアンだが、今季は前節の鹿島アントラーズ戦の2ゴールでキャリアハイの4ゴールを達成。柏戦で5点目をマークし、好調ぶりに拍車をかけている。

飛躍の可能性を感じさせる21歳のブラジリアンは、苦しんだ柏戦のチームの出来を振り返りつつ、次節の東京V戦に向けて、こう意気込んだ。

「柏からすれば、先に失点をして、より攻撃的にならなければいけない状況でした。僕らは良い守備から追加点を狙ってプレーしましたが、思ったよりも守備に回る時間が増えてしまった。ただ、アウェーでの勝点1は悪い結果ではないと思います。

次節も難しい試合になるとは思いますが、ホームでプレーできるので、良い試合を見せたい。そのために、今日の疲労を回復し、良い準備をしたいです」

今節はアウェーでしぶとく勝点1を掴んだが、順位表では18位と、いまだ降格圏から抜け出せていない。

「4月8日に娘(第一子)が生まれて、モチベーションが上がっている」と語る背番号99は、苦しむチームを救えるか。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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