レッドソックス上沢直之 メジャー初昇格に「やっとスタートラインに立てた」

上沢直之

【米国マサチューセッツ州ボストン28日(日本時間29日)発】レッドソックス傘下マイナー3Aからメジャー昇格を果たした上沢直之投手(30)がカブスとの試合前、本拠地フェンウェイパークのロッカールームで取材に応じ、「やっとスタートラインに立てたなという気持ちの方が強い。嬉しいのは嬉しいが、ここから頑張らないとな、という気持ちの方が強い」と語った。

上沢は前日、傘下マイナー3Aで先発登板する予定だったが、監督からの連絡で「(今後)どうなるか何も分らないが、今日の登板は無しと言われた」という。そして「(敵地トレドの)球場へ行って、練習をして、試合前に、その段階でもどこでどうなるか分らないが、とりあえずボストンに向かってくれって言われた。試合前に(遠征先の)ホテルに帰って、荷物をまとめて、ボストンに(空路)移動してきた」と、慌ただしい一日を過ごしたことを明かした。そしてこの日、正式にメジャー昇格を知るのだが、「今日(ボストンのホテルで)起きて、代理人からのラインで知って、あ、そうなのって」と、やや拍子抜けしたようだが、フェンウェイパークに足を踏み入れた時には「凄く、特別な思い、感情が」沸き上がってきたという。

マイナーでは先発投手としての調整を行ってきたが、メジャーでは「ブルペンに入って、スタンバイします」と、おそらくはロングリリーフとしての役割を担うことになりそうだ。

アレックス・コーラ監督は試合前の会見で上沢について「ストレートにパワーがあるわけではないが、素晴らしいスプリットを持っている。それは我々が数週間に渡って(有効性などについて)話してきたもので、それはいい球種なんだ。それに彼はストライクゾーンに投げ込める。彼はブルペンで待機することになるが、さあ、どうなるか」と期待を寄せた。

上沢は試合前の練習中、中堅フェンス前でランニングメニューを始めようとしていたカブスの今永昇太投手(30)と遭遇し、自然と立ち話を始めると、まもなくしてフィールドに入ってきた吉田正尚外野手(30)が2人の姿に気づき、小走りで合流。今年31歳になる3人の同級生が、思わぬ形で集まった。

今永は「感慨深いですね。でも、僕たちがここで野球がやれているのは、アメリカで実績を積んでくださった野茂さんをはじめ、先輩方のお陰」と謙虚に話すと、「昨日、正尚と(試合後に)ごはんを食べに行ったんですけど、もし上沢投手(の昇格)が一日早ければ、三人でごはんにいけたかもしれないですね。30歳台に入ってくるとチャレンジをすることの方がリスクが大きくなるものですが、チャレンジした者にしか分らない、何かを築き上げていけたらと思います」と話した。

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