地元で愛され50年…不動の人気は「海老の辛子ソース煮」 こだわりのひと手間でより美味に 秩父の「孫悟空」

人気の「キャベツと豚肉の味噌煮」(右)と「海老の辛子ソース煮」

 ツタに覆われた外壁がおしゃれな高級中華料理「孫悟空」は、店主の堀口文夫さん(74)が1973年に開業。常に地元中心のリピーターで席が埋まり、店内は活気に満ちている。「コロナ禍や物価高など、飲食業界が厳しくなる中でも、多くの常連さんが駆け付け、支えてくれている」と堀口さんはほほ笑む。

 高校卒業後、手に職をつけられる仕事に就こうと、中華料理の老舗・銀座アスター(東京都中央区)で6年以上修行を積み、地元に店を構えた。開業時は1人で切り盛りしていたが、現在は妻の友子さんら心強い従業員とともに店を繁盛させている。

 1980年代から、餃子(ギョーザ)とABC3種ランチの価格はほぼ据え置き。「安い分、数を出して元を取る」。利用客も、譲り合い精神で協力し、ランチは8テーブルを1時間で3回転させている。メニューの品は50種以上。要望に応じて、高級食材などを用いた特別料理を提供することもある。

 単品料理は、「海老の辛子ソース煮」と「キャベツと豚肉の味噌(みそ)煮」が不動の人気だ。「材料にこだわり、ひと手間かける」が堀口さんの信念。素材の良さと鮮度を最大限に引き出すため、エビなどの食材はあえて殻付きを仕入れ、自分でむく。ラーメンなどのスープは毎日新しく作り変える。

 昨年に開業50周年を迎えた。「赤ちゃんを連れて食べに来ていたお客さんが、今では子と孫と一緒に通ってくれている。自分の家族が増えたようで、うれしい」。堀口さんは今後も店の雰囲気づくりを大切に、味と価格の両方で満足させる料理を振る舞っていく。

【主な人気メニュー】  サービスランチABC(各990円)、焼き餃子(ギョーザ)5個(450円)、悟空麺(820円)、キャベツと豚肉の味噌(みそ)煮(1300円)、海老の辛子ソース煮(3千円)。

【メモ】  孫悟空 埼玉県秩父市上影森34(電話0494.24.2281)。営業時間はランチが午前11時半~午後2時、夜の部が午後5時~ラストオーダー同8時。定休日は月曜(祝日の場合は火曜休み)と、第1、3火曜(祝日の場合は水曜休み)。

「孫悟空」店主の堀口文夫さん=埼玉県秩父市上影森

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