パリ行きを懸け、宇都宮での大一番を迎える3x3女子日本代表の高田静

ゴールデンウィークに入り、いよいよ男女3x3日本代表が大一番を迎える。

男女ともに「パリ2024オリンピック」出場を懸けた予選大会は2つあり、1つ目は5月3日〜5日に開催される「FIBA3x3 バスケットボールユニバーサリティオリンピック予選2(UOQT2)」。この大会で参加8チーム中1位になればパリ行きが決まる。また、UOQT2で出場権を逃した場合は5月16日〜19日にハンガリーにて行われる「FIBA 3×3 バスケットボール オリンピック予選(OQT)」に出場し、参加16チーム中上位3チームに入ればオリンピックの出場権を得ることとなる。

ハンガリーでのOQTは控えているものの、日本にとっては宇都宮で開催されるUOQT2で勝負を決めたいところ。「日本で試合ができるというのはすごくうれしいですし、日本で勝って決めたいです」と、語るのは高田静(ENEOSサンフラワーズ)だ。

早稲田大学卒業後、ENEOSで5シーズン目を終えた高田は、鋭いドライブなどの攻撃が武器のガード。今シーズンのWリーグ(レギュラーシーズン)では1試合平均9.24点という数字を残している。攻防ともにタフな動きを見せ、運動量も豊富。3x3では昨年、「FIBA 3×3ワールドカップ 2023」に出場し、女子日本代表して過去最高位となる9位に貢献した。

「(オリンピック予選までの)日数も限られているので、合宿では質を高めていくことが求められています。今はいかにチームの基準を上げていけるかという段階になっているのかなと思っています。その基準を高めていくためには、コーチから言われたことはもちろん、選手同士でしっかりコミュニケーションを取っていかないと、実際に試合ではコーチはいないので、そういうところが3x3では特に大切になってくるし、今頑張っているところです」

強化合宿での感想を語った高田は、約2週間前にWリーグのシーズンを終えたところだが、コンディションは悪くはないともいう。また、シーズン終盤に痛めた足も「プレーにそれほど支障のないレベルまでは回復はしているので、悪化しないようにしつつ、コンディションを上げていければいいなと思います」と、笑顔を見せた。

3人制は、同じバスケットといえど5人制とは異なる特長もあるが、3人制への切り替えに関しては「接触の部分が5人制より多いので、合宿(の序盤)に大学生とゲームをしたときはバテてしまって。接触に慣れていかないといけないと思います。頭の切り替えは、今回が(3x3参加が)初めてではないので、できているかなと思います。それと(5人制とは重さの違う)ボールにも慣れることはできる、大丈夫だと思います」と、語る。

2月の5人制のOQTは映像を通してENEOSのチームメートである宮崎早織らの戦いを見守った。「すごく感動しましたし、そういった感動を3人制でもしっかりオリンピック出場権を獲得することで見ている人たちに与えられると思います。5人制はオリンピック予選(OQT)で、日本のバスケットはこうだというのを見せたと思うので、3人制も宇都宮の開催でもありますし、日本らしいバスケット、小さくても速さで勝っていく、おもしろいバスケットをいろいろな人に見てもらえたらと思います」と、意欲を見せる。

3x3は5人制とは違い、試合時間は1試合10分で、1日に2試合、3試合と行われる(今回のUOQT2は最大で1日2試合となる)。そのため、「1日に何試合もあるのはゲームが10分間だからこそ。私はゲームの出だしがすごく大切になってくると思っています」と、高田。そしてこう続けた。「少しでも控え気味に試合を始めてしまうと、それこそ10分間の中で流れを持ってくることが難しくなるので、出だしから自分たちのバスケットをやるんだという意識を持つ。それと、試合ごとの切り替えも相手のアジャストも含めてすぐに頭を切り替えてやっていくことが大切だと思います」

現在、チームはUOQT2に向けた登録メンバー6名が発表されたところ。高田の名前もそこにはある。女子チームでは最年長となる攻撃型ガードは、「日本のファンの方たちは3x3の試合を映像でしか見たことがない方がほとんどだと思うので、現地に足を運んでいただける距離ですし、ホームで戦えることはすごく大きいです」と、間近に迫ったゴールデンウィーク決戦に並々ならぬ思いで挑む。

文・写真=田島早苗

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