創意あふれる旬の千歳烏山グルメ3店~王道を好む人も納得の挑戦者たち~

長年暮らす、落ち着いた住民が多い千歳烏山。近年は、王道をリスペクトしつつも創意工夫を凝らした料理を提供する店が増え、注目を集めている。この地に新しい風を吹かせる話題のグルメを紹介。

『蕎麦 やましん』スタイリッシュなそばとつまみに舌鼓

刺し身盛合せ1人前1200円~。鰯薬味のり巻1180円。日本酒1合900円~。

そばは月ごとに産地を替え、その時季に収穫されたものを実のまま仕入れ、店内の石臼で自家製粉している。ズズッと勢いをつけてすすると、清々しい香りがふわりと舞う。さらに、食べ進めるごとに広がるフレッシュな旨味もたまらない。2022年オープンとまだ新しい店だが、夜には生ポテトサラダや鰯薬味のり巻といったアイデア料理、刺し身などのつまみを豊富に揃え、玄人のそばツウのみならず、気軽に飲める酒場として地域の人々にも支持されている。

生ポテトサラダ880円。千切りにしたジャガイモのシャキシャキ食感がクセになる。
週末限定ランチ2000円は、小鉢、そば寿司、天ぷら、デザート付き。
店主の山下信太郎さん(右)は老舗そば屋『築地さらしなの里』の出身。魚屋、割烹居酒屋でも腕を磨き、それがつまみに生かされている。「日本酒などお酒のセレクトにも自信があります!」。
バルのような外観。

『蕎麦 やましん』店舗詳細

蕎麦 やましん 住所:東京都世田谷区粕谷4-20-18/営業時間:11:30~14:00・17:00~22:00(日は11:30~21:00。変更の場合あり)/定休日:不定/アクセス:京王電鉄京王線千歳烏山駅から徒歩6分

『nope(ノープ)』好奇心そそるスパイシーなネオ中華

スパイス×前菜盛り合わせ980円。福島の鮃 CHINESEカルパッチョ1280円。

『ザ・ペニンシュラ東京』で広東料理の伝統を学び、四川料理や少数民族料理の店でも修業した店主の高木祐輔さん。幅広い経験に基づく多彩なスパイス使いを体感するなら、まずは前菜盛り合わせ。紹興酒でコンポートにしたキンカンは青山椒、花椒がアクセントになり、さらに甘みが前面に現れ、ミョウガの甘酢漬けはクミンでよりみずみずしくなる。ワインを合わせれば華やかさを増し、うっとり。

オープンキッチンになっていて、高木さん(右)が腕を振るう姿を見ることができる。「スパイスと食材が織りなす世界をお楽しみください」。
つゆそば 実山椒と香港麺980円。すっきりしたスープと爽やかな香りが、締めにおすすめ。

『nope』店舗詳細

nope(ノープ) 住所:東京都世田谷区南烏山5-18-15 2F/営業時間:17:00~22:00LO(不定期で12:00~14:30のランチ営業あり)/定休日:不定(最新の営業状況はInstagramを要確認)/アクセス:京王電鉄京王線千歳烏山駅から徒歩2分

『ら~めん つけ麺 幸加』動物×魚介の均衡のとれた一杯

らーめん920円。

白濁したスープは、その見た目どおり力強い旨味をたたえつつ、後味は意外なほど軽やか。慎重にアクを取り除きながら、鶏と豚、魚介のバランスを重視して出汁を取っているという。国産小麦「春よ来い」を使用したオリジナルの特注麺は、もちっとした弾力が心地良く、スープとの相性も抜群。脂がさっぱりしていて、肉の旨味と甘みが際立つ銘柄豚「岩中豚」で作るチャーシューも評判だ。

つけめん1020円も人気。濃厚なスープに隠し味として甘酢を加えることで、主役の麺をしっかり引き立てている。
2023年3月オープン。店主の福盛靖明さんは、『らーめんせたが屋』の系列店『中華そば ふくもり』の元店長。「らーめんとつけめんの麺の違いも味わって!」。

『ら~めん つけ麺 幸加』店舗詳細

ら~めん つけ麺 幸加(らーめん つけめん さちか) 住所:東京都世田谷区給田3-34-1 /営業時間:11:00~15:00・17:30~21:00(スープがなくなり次第終了)/定休日:金、日夜/アクセス:京王電鉄京王線千歳烏山駅から徒歩8分

取材・文=信藤舞子 撮影=オカダタカオ
『散歩の達人』2024年4月号より

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