中国若者の間で続くブーム、漢服が古都西安を彩る

中国若者の間で続くブーム、漢服が古都西安を彩る

陝西省西安市の大唐芙蓉園を散策する漢服姿の観光客。(2月2日撮影、西安=新華社記者/邵瑞)

 【新華社西安4月29日】中国ではここ数年、漢民族の伝統衣装「漢服」が1990年代後半~2000年代前半生まれの「Z世代」のファンを獲得し続け、製造や販売、化粧・スタイリングなどの関連産業も急速な発展傾向を示している。

 漢服は染め、織り、刺しゅうなどの伝統工芸と、東洋の美意識を継承する服装様式として、豊かな歴史的蓄積を持っており、陝西省西安市では、漢服愛好者が公園や茶館に足を運んで写真を撮り、週末のくつろぎと休日を楽しんでいる。

中国若者の間で続くブーム、漢服が古都西安を彩る

陝西省西安市の大唐芙蓉園でランタンを鑑賞する漢服姿の観光客。(2月2日撮影、西安=新華社記者/李一博)

 継続する漢服ブームは、漢服写真や漢服レンタル、没入型漢服体験など、関連産業の急速な発展をけん引。同市ではここ数年、漢服店が爆発的増加を見せており、冬季・夏季休暇や春節(旧正月)、七夕(旧暦7月7日)、中秋節(旧暦8月15日)などの伝統的祝日になると、多くの店に注文が殺到している。

 専門家は、ここ数年社会全体が中国の優れた伝統文化を重視し、掘り下げていることも漢服ブームの継続を促す要因の一つになると分析。若者が漢服を着ることに「目覚める」のは、にわかな思いつきではなく、近年の「国潮」「国風」の中での審美眼による選択で、Z世代と中国の深い伝統文化の継続的な引き寄せ合いでもあり、家族・故郷に対する深い思いが秘められているという。

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